楽天モバイル、通信品質のほかにも抱える不安 販売代理店が運営する店舗を増やせるか

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複数のキャリアショップを手広く展開するある販売代理店の幹部は、「楽天のショップを出したときに、すぐにauやソフトバンクの担当者が飛んできて、『なんで楽天の店なんか出したんだ』と怒鳴られたことがある」と明かす。楽天ショップを出そうとしたときのキャリアからの横やりは、しばしばあるのだという。

そもそも代理店の中には、楽天のキャリア事業自体の成功を疑問視しているところもある。

別の代理店幹部は「楽天が自前でやる東京・名古屋・大阪はネットワークが悪くて、ローミングでauから借りる地方はネットワークがいいような状態がしばらく続くのではないか」と予想したうえで、「歴史的にみても、日本ではインフラがだめな通信会社はうまくいかない」とシビアにみている。このようなところは、楽天モバイルが出店をお願いしてもやすやすとは動かないだろう。

ショップを通じた販売力の重要性

キャリアの顧客獲得競争において、料金やサービス品質が重要なのは当然だが、ショップを通じた販売力の重要性も決して小さくはない。

4月に総務省で行われた5G開設計画の認定交付式に参加した楽天の三木谷浩史社長(左)(編集部撮影)

楽天の三木谷浩史社長は常々、最新技術などを導入できることから「後発者メリットは大きい」と語っているが、販売力や店舗網の整備スピードにも直結する代理店を通じた出店には逆風が吹いているようだ。

大手キャリアと楽天のショップの差は数字や代理店関係者らの証言から透けて見えるが、パワーバランスで有利に立つ大手キャリアに対して、ほかにも表には出てこない後発者デメリットは多々あるはずだ。楽天が「第4のキャリア」として成功するためには、こうしたハードルも越えていかなければならない。

奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入り経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に入社。

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