NTTドコモ「携帯違約金1000円は衝撃的だった」 吉澤社長、料金修正は「楽天を見て考える」
6月1日から「最大4割値下げ」の新料金プランを始めたNTTドコモ。これにより、2020年3月期の営業利益は前期比18.1%減の8300億円に沈む計画だ。それと引き換えに顧客基盤を広げ、今後の非通信分野の収益につなげる狙いがあった。
ところが、ここにきて競争環境を変える大きな省令改正が飛び込んできた。総務省は6月中旬、通信業界で主流となっている2年契約での契約者の囲い込みにメスを入れることを決めた。
ドコモを含むキャリアは、2年契約を期間拘束のない契約よりも月額で1500~2700円(税抜き、以下同)安くして契約者を集め、途中解約には9500円の違約金を課すことで他社への流出を防いできた。
だが、今秋から総務省の省令改正により、違約金の上限が1000円まで引き下げられ、2年契約と期間拘束のない契約の料金差額(月額)も上限170円となる。さらに、スマートフォン端末の販売の値引き額も上限2万円に規制される。
こうした携帯電話をめぐるルールの変更によって、携帯キャリアの経営にどんな影響を与えるのか。NTTドコモの吉澤和弘社長に聞いた。
ルール改正前に、できることからやっていく
ーー2年契約への加入を条件に端末代を割り引く「セット割引」や、端末代の大幅な値引きが今秋から禁止されますが、ドコモはほかのキャリアに先んじてすでに大幅な端末値引きをやめました。他社が「端末1円販売」を続ける中、影響はないのでしょうか。
他社では1円販売どころか、さらにキャッシュバックをつけているところもある。今でも週末に多額のキャッシュバックをつけて乗り換え客をとりにいく売り方が多く、業界として非常にまずいことだと思っている。総務省にもそういう話はしている。
この業界は、これから健全にしていく努力をしていかないといけない。法律や省令が改正される前に既存のやり方で契約をたくさん取って、顧客を2年間縛りつけておこうというような考え方ではだめだ。省令施行後に対応するというのではなく、(省令改正前に)できるところからやっていこうという考え方だ。
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