NTTドコモ「携帯違約金1000円は衝撃的だった」 吉澤社長、料金修正は「楽天を見て考える」

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ーー10月からは楽天も本格参入してきます。

楽天は料金も安く、かつ期間拘束もないプランを出すと言っているが、こちらの修正や対応は当然、楽天の動きもみながら考える必要がある。先に料金を微修正して、また楽天のプランをみてからさらに微修正すると、契約者を混乱させてしまう。しっかり状況を見ながら考えていきたい。

ーー違約金が1000円に引き下げられると、今後の乗り換えは活発になりますか。

違約金が1000円になることで、お客さんがどこまで契約内容を見直して解約をしたいと思うのか。いま乗り換えをしているお客さんはどちらかと言うと、新しい端末を安く入手したいからという理由が多い。今後は違約金が下がる一方で、同時に端末値引きの金額も少なくなるので、そこまで乗り換えは増えないかもしれない。

ソフトバンクやauの4年縛りは問題だ

2年契約の違約金よりも、ロックイン(囲い込み)効果がもっとも高いのはソフトバンクやauの4年縛りだ(注:ソフトバンクとauは、高額なスマホ端末の販売を48回の毎月払いとし、2年後にその端末を下取りに出せば、25カ月目以降の残債を免除する売り方をしている。このプログラムの利用には、最初に通信の2年契約に加入することが条件になっている)。4年縛りの残債免除の条件の中には今も機種変更があり、あれではお客さんが容易に抜けられない。

「ソフトバンクやauの4年縛りは問題だ」と語るNTTドコモの吉澤社長(撮影:尾形文繁)

今でも両社は、(法改正でこのやり方が封じられる前に)この契約を取るために、一生懸命キャッシュバックをやっている。表では「端末と通信料金を分離しました」と言いながら、こういうやり方を続けているのは問題なのではないか。 

ーー省令改正前に結んだ契約には、今秋以降も9500円の違約金がかかります。こうした利用者の違約金を自主的に1000円に下げる考えはありませんか。

そういう考え方もあるが、そこの9500円の扱いはすごく難しい。われわれとしては今の契約者の違約金は9500円のままだと考えている。ただ、ルールが変わる前に、現行の2年契約をたくさん取ろうと、過度なキャッシュバックをつけることはもう絶対にしない。

ーー2年契約の拘束力が弱まっていく中で、今後はどうやって顧客をつなぎとめていきますか。

顧客基盤の中心は今も携帯電話の契約者だが、うちは(携帯電話の契約がなくても加入できる)会員顧客基盤をより重視する方向に徐々にシフトしてきた。dポイントやキャッシュレス、カード、動画などだ。今後も会員サービス向けのポイント総額や加盟店を拡大したり、決済や5Gに絡むコンテンツに投資したりして、携帯以外のサービスを利用する人を増やし、顧客基盤を強化していきたい。

奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入り経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に入社。

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