富士フイルムは「倒産のコダック」に勝ったのか

日米の「イノベーションの効率」を問い直す

スピンアウトしてしまえば、既存のビジネスに対する遠慮などは無用で、自由に高い収益が期待できるところに転換していけます。しかも、大企業であればあまり小さい市場への転換はしにくいのですが、スタートアップであれば、小さな市場でも高い収益性が期待できれば問題ありません。

これは、いつまで企業という枠組みでイノベーションを考えるのが適切なのかという疑問を投げかけるものでもあります。企業という枠組みで考えるのであれば、日本社会のほうが企業の脱成熟に適していると言えます。しかし、産業あるいは個別の技術という点で考えると、脱成熟に適しているのは、おそらく流動性の高いアメリカ社会のほうでしょう。

老化が早い日本企業

アメリカ社会のほうが脱成熟に適していると考えられる理由の1つに、日本では企業の年齢が高くなるにつれて、企業の稼ぐ力がどんどん落ちてしまうという事実が挙げられます。

上記の図は、東京証券取引所1部と2部に上場している事業会社とニューヨーク証券取引所に上場している事業会社について、その設立からの年齢と平均ROA(Return on Assetの略、総資産利益率)をプロットしたものです。ニューヨーク証券取引所は、日本企業や世界各国の企業も上場しているため、ここではアメリカに本社がない企業は除外し、いわゆるアメリカ企業だけを取り上げています。

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