富士フイルムは「倒産のコダック」に勝ったのか

日米の「イノベーションの効率」を問い直す

スピンアウトしてしまえば、既存のビジネスに対する遠慮などは無用で、自由に高い収益が期待できるところに転換していけます。しかも、大企業であればあまり小さい市場への転換はしにくいのですが、スタートアップであれば、小さな市場でも高い収益性が期待できれば問題ありません。

これは、いつまで企業という枠組みでイノベーションを考えるのが適切なのかという疑問を投げかけるものでもあります。企業という枠組みで考えるのであれば、日本社会のほうが企業の脱成熟に適していると言えます。しかし、産業あるいは個別の技術という点で考えると、脱成熟に適しているのは、おそらく流動性の高いアメリカ社会のほうでしょう。

老化が早い日本企業

アメリカ社会のほうが脱成熟に適していると考えられる理由の1つに、日本では企業の年齢が高くなるにつれて、企業の稼ぐ力がどんどん落ちてしまうという事実が挙げられます。

上記の図は、東京証券取引所1部と2部に上場している事業会社とニューヨーク証券取引所に上場している事業会社について、その設立からの年齢と平均ROA(Return on Assetの略、総資産利益率)をプロットしたものです。ニューヨーク証券取引所は、日本企業や世界各国の企業も上場しているため、ここではアメリカに本社がない企業は除外し、いわゆるアメリカ企業だけを取り上げています。

次ページグラフからわかること
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
子どもの命を守る<br>続発する虐待死、その真因を探る

子どもをめぐる悲惨な事件が後を絶たない。親からの虐待、保育園事故、不慮の事故……。子どもの命の危険とその解消策を検証した。長時間労働が深刻な児童相談所の実態、低賃金・高賃金の保育園など保育士の処遇に関する独自調査も。