テレ朝「ドラえもん」「しんちゃん」改編の大疑問

視聴率王狙いのなりふりかまわずは短期視点

8月に放送された「日曜プライム」(日曜21時~)のラインナップは、「点と線」「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」「十万分の一の偶然」という過去に放送されたドラマの再編集版でした。それぞれビートたけしさん、渡辺謙さん、田村正和さんという大物が主演を務めただけあって、いずれも視聴率15%以上を獲得した作品だけに、「今回も制作費がほとんどかからないうえに、高視聴率を獲れるだろう」という狙いが透けて見えます。

さらに、8月の「日曜プライム」で唯一の新作ドラマだった25日放送予定の「深層捜査スペシャル」は、急きょ「世界バドミントン2019 スイス・バーゼル 決勝」に差し替え。これは同大会で複数の日本人選手が決勝に勝ち残ったことを受けての変更であり、すなわち「これならリアルタイムで見てもらえるだろう」という視聴率獲得に向けた緊急対応でした。

しかし、バドミントンの中継はすべて生放送で見られるわけではないうえに、BSから地上波に変わったことでCMが目立つなど、ファンにとっては必ずしも歓迎すべきものではなかったのです。結果的に、男子シングルスの桃田賢斗選手、女子ダブルスの永原和可那・松本麻佑ペアが優勝したにもかかわらずネット上には、「決勝に行ったから急きょ放送するなんてあざとすぎる」「放映権を獲ったなら、責任を持って地上波で放送すべき」「2時間ドラマを楽しみにしていたのに」などのテレビ朝日への批判が見られました。

なぜテレビ朝日は、「長年放送してきた『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ミュージックステーション』を移動させる」「名作ドラマの再放送を立て続けに放送する」「急きょバドミントン中継に差し替える」などの批判の声が上がるであろう策を採ってまで、視聴率を獲得しようとしているのでしょうか。

テレビ朝日が「明日なき戦い」に挑む理由

その答えは、ライバルの日本テレビに勝って年間視聴率三冠を達成したいから。年間視聴率三冠とは、全日(6~24時)、ゴールデン(19~22時)、プライム(19~23時)の3つでトップを獲ることであり、テレビ朝日はまだ獲得したことがありません。

いわば局の悲願であり、5年連続視聴率三冠の日本テレビを上回るために、これまでアンタッチャブルな存在だった「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ミュージックステーション」を移動させるという思い切った改編を行うのでしょう。

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