テレ朝「ドラえもん」「しんちゃん」改編の大疑問

視聴率王狙いのなりふりかまわずは短期視点

テレビ朝日は2年前の改編でも、朝の情報番組「サンデーLIVE!!」をスタートするために、スーパー戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズの時間をそれぞれ20年ぶり、17年ぶりに移動。ただ、これによってフジテレビのアニメ「ONE PIECE」などの放送時間とバッティングしてしまい、批判の声がTwitterを埋め尽くしたという過去がありました。ファミリー層にとっては、「またテレビ朝日がやってくれたか」という印象を与えてしまっているのです。

「ドラえもん」は休日に入るスイッチ

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は全国ネットのゴールデンタイム唯一のアニメで、テレビ朝日だけの強みであり、テレビ業界にとっても最後の砦。「ドラえもん」は1979年から40年間、「クレヨンしんちゃん」は1992年から27年間もの長期にわたって放送されている国民的アニメであり、子どもだけのものではありません。

大人にとっても「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は長年親しんできた1週間のリズムをつかむ番組。例えば、ザッピング中にチラッと映っただけで、休日に入ったことを実感するスイッチのようなところがあり、長年の感覚が変わってしまうことへの不満があるようです(ちなみに日曜18時台の「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」は休日が終わるスイッチ)。

また、見方を変えると、今回の改編は視聴者にとってのロスだけではありません。テレビ朝日にとっても、長年かけて作り上げた「金曜19時台は『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』、20時台は『ミュージックステーション』を見る」という視聴習慣を失うものであり、再構築を求められることになります。

ネットの発達によって、「見たいときに見たいものを見る」オンデマンドが当たり前になりました。だからこそ「〇曜日の〇時はこれを見る」という視聴習慣をどう作り、どう継続させていくかは、テレビ最大の課題であり、弱点とも言えるところです。

ところが、アニメと音楽の代わりに放送するのが、毒舌をベースにしたトークバラエティだったため、視聴者層はほとんど重なりません。はたしてテレビ朝日の社員たちは「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ミュージックステーション」の視聴者に胸を張って、「10月以降は『ザワつく!金曜日』『マツコ&有吉 かりそめ天国』を見てください」と言えるのでしょうか。

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