俺たち「就職氷河期世代」1700万人を忘れるな

世間はピチピチの新卒ばかり気を遣うが・・・

一方、公益財団法人・東京しごと財団が運営する「東京しごとセンター」は、東京都民の雇用・就業を支援するための施設で、2008年から非正規雇用者の正規就職をサポートし続けてきた。非正規雇用者が正規就職するための支援プログラムを3つ用意している。

まず1つ目は「就活エクスプレス」。これは早期に就職を決めたい人向けの5日間のプログラムだ。現在は非正規で働いていても次にやりたいことが明確な人が参加することが多い。短期集中で自己PRや履歴書の書き方など就活のノウハウを学ぶ。

プログラム修了後は、コーディネーターが3カ月間、個別に就活をサポートしてくれる。5日間のプログラムで、指導してくれたコーディネーターが引き続き担当してくれるため、受講者は安心して就活に取り組める。毎月1回の合同面接会にも参加することが可能だ。東京しごとセンターが概要を決め、パソナへ運営を委託する形になる。

2つ目の「Jobトライ」は、入社希望企業で15~20日間実習し、お互いが納得すれば、そのままその企業に就職するというプログラム。採用試験を兼ねたインターンシップともいえる。

最初の3日間はセミナーがあり、適職診断を受けたり、自己PR方法について学んだりする。その後はジョブリーダーと呼ばれる指導員と相談しながら実習先を決める。ジョブリーダーは実習期間中も、受講者と企業の間を取り持って動く。

受講者に1日5000円、企業には6000円支給

かつて実習先だった工具メーカーで正社員として働く30代の男性は、「Jobトライ」で印象に残ったこととして、「ジョブリーダーが実習内容を細かく調整してくれたこと」を挙げる。実習の当初は工場での組み立て作業が続いたため、ジョブリーダーに「なかなか営業現場へ行けないので不安だ」と話したところ、すぐに工具メーカーの担当者に連絡し、営業同行の日程を決めてくれた。おかげで早めに営業のイメージをつかむことができたという。

ジョブリーダーは企業や受講者と相談しながら実習計画を作る。受講者の相談に乗るのはもちろんだが、企業からの相談にも対応する。受け入れ企業には社員教育に不慣れなところもあるので、会社をサポートするのも重要なのだ。

また就職が決まったとしても、就職後6カ月間は受講者のさまざまな相談に乗り、早期退職しないように支援する。「Jobトライ」では受講者に1日5000円のキャリア習得奨励金が支給される。受講期間中は仕事ができず無給になるので、その分を補う意味がある。受け入れ企業にも負担がかかるので、企業には1人につき1日6000円の受入準備金が支給されるほか、採用した場合、社員の入社6カ月後に採用奨励金10万円が支給される。

こちらも就活エクスプレス同様、運営を受託しているのはパソナ。同社は実習受け入れ企業の開拓なども行っている。

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