俺たち「就職氷河期世代」1700万人を忘れるな 世間はピチピチの新卒ばかり気を遣うが・・・

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もし、集団面接会の後、企業から「再度会いたい」とのオファーがあれば、後日行われる個別面接に進む。ジェイックがこの個別面接に対応した指導を1人ひとりに行っているのだ。それぞれの企業の業務内容やニーズに合わせ、受講生と個別面接のための作戦を練るというわけである。

就職させるだけではない。定着させるための支援も行っている。就職が決まった受講生に対して、入社前研修のほか、就職後1カ月、3カ月、6カ月というタイミングでも研修を行う。

こうした就職支援サービス「就職カレッジ」は、何と受講料が無料。就職が決まったら、当該の企業からジェイックに対して、料金が支払われる仕組みである。

セミナーを聴く受講者の表情は真剣そのもの(撮影:今井康一)

これまでジェイックは、正社員経験のないフリーターや経験が少ない第二新卒などに特化した、就職カレッジを運営してきた。本来の対象者は30歳未満なのだが、時には30代前半が紛れ込んでいる場合もなくはない。就職カレッジのセミナーを修了した、30代人材を企業に紹介したところ、就職率が高かったという経緯がある。

当初、企業は30代の求職者を喜ばないのではないかと危惧していたが、現実には「30代前半ならば構わない」といった声が多く、これまで敬遠するような企業はなかったという。そこで同社は今回、対象を30歳から34歳に絞った、「30代就職カレッジ」を新たに開催することにしたのである。

「人前で話すことが苦手だった」

ところで集団面接会への参加企業は、30代の非正規雇用者について、どう見ているのだろうか。

山陽精工は山梨県に本社のある精密部品加工メーカー。小泉利明・総務副部長は「最近、30代非正規を採用したらとても優秀だったので、さらに採用することにした」と評価する。同社では新入社員をまず加工現場に配属。現場での作業の様子で性格や適性を判断し、それから配属を決めるため、加工メーカーで経験がなくても問題ないという。

明光義塾のフランチャイズで学習塾を展開するネクストワンの花島泰典・事業部長は「優秀な大学を卒業して順風満帆に来た人には、(塾に来る)生徒の気持ちがわからない。むしろ挫折体験がある人のほうが塾の職員に向いている」と分析する。同社ではジェイックの就職カレッジを修了した人(20代)をこれまで採用した実績があり、30代の非正規であっても適した人がいれば積極的に採用する方針だ。

セミナーを修了した受講者に話を聞くと、「人前で話すことが苦手なのでセミナーに参加するか迷ったが、毎日プレゼンをやったおかげで自信がついた」(サービス業バイト・女性)、「自己分析を深めることができた。自分の短所を自覚しながら就活を進めたい」(無職・女性)といった声が返ってきた。

ジェイックの場合、新卒や転職など支援サービスを手がけているが、対象は”就職に苦労している人たち”だ。他社ではほとんど対象にしない大学中退者の就職支援まで手を広げている。今回は非正規で働く34歳以下を対象にしたが、「年内には39歳まで範囲を広げて、その後は45歳までを対象にしたい」(近藤浩充常務)。

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