新しい年に切り替わる年越しの「ゴ~ン」という鐘の音を聞くと、それまで使ったたくさんの心が洗浄され、みるみるうちに新鮮な心に切り替えられていくような気分になります。私は国宝建築物にとても興味があるのですが、鐘の打てるところでは必ず打ちます。鐘は大きさや形で音は変わるし響きも違います。そしてその独特の音色を聞くと、何ともいえず心が落ち着くのです。
さて、ゴルフでも音は大事です。ボールを打った音の違いでショットの良しあしがわかります。クラブフェースのどの部分に当たったのか、ボールのどこを打ったのか、あるいはボールを先に打ったのかダフったのか等々、音を聞いただけで自分のはもちろん、ほかの人が打ったショットやアプローチ、パットの良しあしが判断できます。
たとえばプロは18ホールの試合中、ドライバーショットの良い当たりは一つから三つくらいですね、と答えることが多いです。すごく良い打感でボールの真芯とクラブフェースの真芯でドンピシャで当たることは意外と少ないものです。芯はとらえているもののわずかにずれて当たっていることが多いのです。ずれてるといっても8割前後は芯をとらえていますので、音は多少の違いです。したがって、はた目には良いボールを打っているように見えますし、飛距離も安定的に出ます。
それが、アイアンショットになるとボールがクラブフェースのどの部分で当たったのか、さらに判断がしやすいです。芯に当たれば弾むような快音ですが、芯から先の部分、トー近くになると、ボールはあまり上がらず力のない飛び方をします。また、芯から手前のネック近くで当たれば、体の回転で打てないので右に押し出しやすい。どちらも芯を少し外しただけで乾いた音になり、ボールは風の影響も受けてしまいます。
試合では、相手のスイングの動きを見て調子の良しあしを判断するのはもちろんですが、実は音だけでも判断しています。私は雨の日のある優勝争いで、バーディーが欲しくてパー5で力が入りました。2打目を3ウッドで打つと「ボコッ」という非常に鈍い音とともに、ボールは50メートル進んだだけ。気持ちが先走って大ダフリしたのです。次の3打目はボールの上っ面をたたき、「カスン」という情けない音とともに、ボールは芝の上をはうように低く飛んでいきました。雨の日でボールが上がりづらかったこともあり、ボールを無理して上げようとすくい打ちのスイングになり自滅したのです。同伴競技者は私の打った音を聞いただけで、すごいミスだとわかったはずです。
スイングと音はとても密接に関係しています。スイングを作るうえで、クラブフェースのどの部分にボールのどこが当たったのか、スイングの動きと一緒にそのときの音も併せて覚えておくことが大事です。真芯でとらえた音は大きくて気持ちが良いです。
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