能力あっても無礼な人がやっぱり得しない理由 リーダーはもちろん立場関係なく大事なこと
さて、次に「[組織編]礼節ある企業が得られる2つのメリット」を見てみよう。というのも礼節は、企業などの集団の全体としての業績にも好影響をもたらすことがわかっているというのだ。
その場合のメリットは、誰かが何かをミスしても早く見つかること、誰もが自分の意思で率先して行動すること、そしてメンバーの精神的な消耗が少ないことだ。
好例として紹介されているのが、コストコの創業者であるジェームズ・シネガルのケースである。「小売企業にとって、顧客と従業員は株主よりも重要だ」と考えたシネガルは、自ら小まめに店舗へ足を運び、感謝の気持ちを従業員に伝えたのだという。
もちろん会社としても従業員を尊重し、さまざまな面から努力に報いる姿勢を見せた。その結果、コストコの従業員1人当たりの売り上げは、最大のライバルであるサムズ・クラブの2倍近くになっている。
また従業員の離職率が非常に低いため、1年当たり数億ドルのコスト削減を実現。従業員による窃盗も際立って少なく、株価も200パーセントを超えて上昇。
従業員に対して経緯と思いやりを示す経営方針が、ビジネスによい結果をもたらしたということだ。
礼節ある経営者は礼節を重んじる
ポラス氏の行った実験では、リーダーの礼節を示すちょっとした態度だけでも、企業全体にかなりのよい影響があることがわかっている。それだけで、チームや企業に属するメンバーたちの態度、行動がよい方向に、チームや企業全体の価値を高める方向に変わるというのである。
リーダーの礼節ある態度がチーム、企業にとってよいのは、それによって従業員が安心を感じることができるからだ。その結果、従業員はより幸せな気分になり、同時に自分自身もよりよい人間であると思えるのである。
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