東京五輪で建設した競技場はその後どうなる? アスリートも都民も使える後利用が重要だ

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ボブスレー・リュージュ・スケルトンの国内競技人口はわずか250人。海の森水上競技場とカヌー・スラロームセンターを使うカヌー競技者も国内には350人しかいない。ボート競技者を含めればもっと数字は増えるのだろうが、マイナー競技という位置づけはボブスレーなどと同様だ。

カヌーやボート体験やレッスンを開いて競技人口の拡大を図るといっても、それほど劇的な増加は見込めない。やはりアスリートのみならず、都民にも積極的に使われる施設にしなければ、希望に満ちた未来は開けてこないのだ。

都民も楽しんで使える施設とするために

東京都江東区青海の埋立地・中央防波堤の水路に建設された海の森水上競技場を例に挙げると、一般財団法人・公園財団など4法人で構成する海の森水上競技場マネジメント共同企業体が指定管理者に決定。

対岸から見た海の森水上競技場(編集部撮影)

積極的にスポーツ・健康・文化をテーマとしたイベントを展開し、ジョギングコースとしても都民にアピールしていく方針だという。

「海の森水上競技場の周辺はごみ処理場などが多く、海を挟んだ対岸は埋め立て処分場になっている。例えば、イベントなどで大きな音を出しても騒音公害になる心配はありません。東京ゲートブリッジを一望できる景観もウリで、ジョギングコースとしても最適。飲食施設を整備できれば、新たな観光スポットになる可能性も少なくないでしょう。

もちろん、カヌーやボートの大会があるときはアスリートファーストになりますが、それ以外の時期は(競技をしない)一般のお客さんを十分に呼び込める。少子化の進む日本にあって、江東区は人口増加が進んでいるエリア。それもプラス要素だと思います。五輪・パラの後、仮設のスタンドなどを外す工事があるので、本格稼働は2021年からになりますが、今から楽しみです」と鈴木部長は期待を込める。

1年前のセレモニーでは各地域の代表者と小池百合子東京都知事(左から5人目)、その隣のバッハ会長、安倍首相らが一堂に会した(編集部撮影)

それ以外の収入増の方策としては、東京2020大会終了後のネーミングライツ(命名権)導入も検討しているようだ。

「(募集の時期は)五輪・パラの機運が高まっている時期がベストなタイミング。

対象企業や条件などガイドラインは選考委員会を開いて決めることになりますが、国内企業に限らず、外資系企業も含まれると思います。五輪・パラ会場だったという付加価値、公共性、地域に理解を得られるかといった点も重視すべき点になるでしょう」(鈴木部長)。

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