日本企業でも増えている「イマドキ肩書」の威力 「営業第一部部長」「第二課課長」はもう古い?

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CHO職に限らず、ユニークな肩書を設けることでイメージアップを図り、人材採用戦略に活用しようという企業も現れています。アメリカの給与コンサルティング企業パール・メイヤーが2018年に実施した調査では、アメリカ企業の40%が採用候補者を惹きつけるために肩書を利用しており、この割合は2009年調査の31%から上昇しています。

同社の調査部門担当バイスプレジデントであるレベッカ・トーマン氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に、「肩書によって企業は、その社員がいかに影響力がある、または重要な存在であるかをほかの社員に示すことができます。また、今日の革新的な職場環境では、実際の業務内容を表していない、あるいは社員の潜在能力を見いだせないような退屈な肩書に魅力を感じる人はいません」と語っています。

一気に浸透したデータサイエンティスト

日本の企業でよく見かけるのは、営業第一部部長、第二課課長など、組織の部門を秩序立った名前で呼び、そこの課長という肩書です。これは日本の企業が組織主体で構成されてきたことを物語っているようです。

社内の組織としてみれば、こうした組織体の名称はわかりやすい部分もあるのですが、外部の人材を惹きつける意味では、業務内容やその職務の目標がわかるほうが、応募する段階からやる気を出してもらえる効果があるかもしれません。

一方で、新しい職種が生まれていることも、ユニークな肩書が増えている理由の1つです。

すでにおなじみのデータサイエンティストは、ここ数年で脚光を浴びている新しい職種の代表格です。データを分析して科学的な方法で知見を見いだす仕事ですが、デジタル社会の到来でデータの利用価値は無限と期待されている中、どんな会社でもデータを分析することが重要になってきています。このデータサイエンティストも役職名とミッションが同期している明確な肩書でしょう。

そのほかにもこんな肩書が出てきています。

ピープルアナリスト

いわば人事領域に特化したデータサイエンティストともいえるのが、ピープルアナリストです。データを駆使し最適な人材マネジメント戦略を立案します。実際に職種として設けている企業はまだ多くはありませんが、日本企業の人事にもピープルアナリティクスの手法が浸透しつつあります。

新卒採用にこの手法を取り入れた日立製作所では、既存社員の適性テストの結果などからハイパフォーマーのパターンを4タイプに分類。それぞれのタイプにあてはまる社員にインタビューを重ね得られた「責任感」「俯瞰性」などの定性情報を掛け合わせ、人材要件と選考基準に客観的な判断軸を確立しました。結果、求める人物像に合致した人材を多く採用することに成功したといいます。

また、退職者の傾向を分析したデータを使って退職しそうな人物を予測し、個別に離職防止対策を行うといった取り組みをしている企業もあります。

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