「東京パラ」で日本の障害者行政は変われるか 大成功した「ロンドンパラ」に学ぶべき視点

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加えて、障害がある人の雇用や教育などの政策についてチェックする仕組みもできている。

日本の現状について3つの課題を挙げたポスルスウェイト氏(筆者提供)

定められた基準を満たしていない場合は、施設整備に補助金が下りないなどの措置が取られているという。法整備をするだけではなく、厳格な運用がなされているのだ。

日本の現状についてポスルスウェイト氏は大きく3点の課題を指摘した。1点目は、障害者に関する法律と現状がうまくかみあっていないという。

「日本は障害のある人のために、障害者雇用促進法や障害者差別解消法などを作っています。西洋的な考えを取り入れた法律を作って、いい効果が出るように目指しているのだと思います。

しかし一方で、その西洋的な考え方の施策が、日本人の従来の障害のある人への見方とかみあわず、いい形で生かされていないのが現状だと思います」

五輪後に会場をいかに引き継ぐのか

2点目に挙げたのは、ロンドンのように大会後にハード面のレガシーを引き継ぐ組織が、日本では現時点で明らかになっていないことだ。とくに違うのは、国の関わり。東京2020は組織委員会が中心となって大会準備を進め、会場の整備は東京都など自治体が下支えする形になっている。

国は新国立競技場を建設するものの、大会会場全体をレガシーとして明確に打ち出す形にはまだなっていないため、大会後の姿が外国人にとっては見えにくいという。

3点目は、日本パラリンピック委員会など、障害のある人のスポーツを担う団体が、東京2020を経て発展できる体制が整っているとは言えないこと。イギリスのパラリンピック委員会は大会を経てブランド力をつけて、支援の輪を広げたというが、日本の団体は体制が万全ではないのではないかとポスルスウェイト氏は強く感じている。

「日本では、もっとパラリンピックへの理解と支援が得られる必要があると感じています。とくに日本がパラリンピックと非常に縁が深いことは、もっと多くの人に理解されるべきだと思います」

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