「女性=事務仕事」に寄せられる日本の問題構造

まわりまわって社会全体が硬直的になる

日本の女性管理職比率がいまだに低いのはなぜか、前回に続き本田教授に解説していただいた(写真右より、東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授、ジャーナリストの中野円佳さん)(撮影:梅谷秀司)
東洋経済オンラインでの連載「育休世代VS.専業主婦前提社会」に大幅加筆した書籍、『なぜ共働きも専業もしんどいのか~主婦がいないと回らない構造』が6月15日に発刊された。これに合わせて、本著の中で書籍や論文の引用をさせてもらった有識者らにインタビューを行った。
前回記事に続き、東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授に話を聞いた。
前回記事:専業主婦がいないと回らない日本の「構造問題」

なぜ女性は正当評価されないのか

本田:政府は「2020年に管理職に占める女性比率を30%にする」という目標を掲げましたが、その達成可能性は絶望的です。ただ、一応企業は優秀な女性を登用していこうというそぶりは見せていますね。

でも、その一方で、女性たち側にも「管理職になってまで働かなくても……」という気持ちがある。これはある意味、当然だと思うのです。女性の一定割合が、「組織の中でオッサン社会になじまなければならず、上からも下からも挟まれる管理職などという立場に就きたくない」と考えているとすれば、その気持ちはわかります。

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男女間の賃金格差がなかなか縮小しないとか、女性の管理職比率がなかなか上がらないといったような、客観的指標に表れる日本のひどい状況を改善していく必要性と、当事者たちの気持ちの落差がすごく大きい

中野:その意欲の低下をもたらす職場のあり方自体が変わらないといけないですね。

本田:6月8日に日本学術会議で実施したシンポジウムで、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授の大沢眞知子先生が、総合職への応募者数に対する採用者の比率が、男性よりも女性で非常に低いということを指摘されていました。

また、私の調査で、大学時代に学んだ専門領域と仕事がどう関連しているかを見たところ、女性のほうが学んだことと関連がない仕事に配置されていると感じている比率が高く、かつ関連している場合でも、女性の場合はそれが収入の高さにつながっていないことが明らかになりました。

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