際限なく高度化する日本の「家事育児」の壮絶

技術革新がむしろ主婦の首を絞めてきた

「ささやかに子どものパーティを開くの。本当に簡単にね」という言葉を真に受けてはいけない(写真:Fast&Slow/PIXTA)
新聞記者を辞めた後、会社員と女性活躍に関する発信活動、さらに大学院生と3足のわらじを履きながらバリバリ働いてきた中野円佳さん。ところが2017年、夫の海外転勤により、思いがけず縁遠かった専業主婦生活にどっぷり浸かることに。そこから見えてきた「専業主婦」という存在、そして「専業主婦前提社会」の実態とそれへの疑問を問い掛けます。

前回記事(専業主婦を産み続ける日本の「無限ループ」)で、専業主婦が忙しいと書いたが、シンガポールに来て、初めて日本人の専業主婦コミュニティに出入りするようになり、驚愕したことがある。それは、「日本の専業主婦、レベル高すぎ」ということだ。

日本的な駐在妻生活

シンガポールには日本人が3万人以上いる。多くの日本人女性と知り合ったが、独身、既婚、子どものありなしはもちろん、滞在形態も永住、自分の駐在、夫の駐在とさまざま。

既婚の場合の相手も日本人、国際結婚と多様だ。国際結婚組は、妻が日本人で夫がシンガポール人という組み合わせのほか、夫がオーストラリアやニュージーランド、欧州系、インド人というケースも。日本人駐在妻にもいろいろな人がいて、専業主婦でいる人もいれば、帯同ビザで働く人も。子どもを通わせる幼稚園や学校もバラバラだ。

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そんな、バラエティ豊かなシンガポール日本人女性の世界。私の場合は駐在妻といっても、夫の会社の婦人会のようなものはなく、入らないといけない奥様のグループはない。

ただ、子どもが行っているローカル幼稚園にも日本人が一定割合いるなどで、「出入り自由」な、緩いネットワークに自然と入らせてもらっている。また、私が住んでいる外国人向けコンドミニアムは駐在日本人が多く、日本人小学校や日系幼稚園のスクールバスが到着する時間帯は「ここは日本か」と見まがうような状況だ。

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