(第2回)今VS昔の「お父さん」徹底比較

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(株)マッキャンエリクソン、「Real Fathers リアルファーザーズ」編集部

●家族はネットワーク型に。

 今、家族のあり方が大きく変わりつつある。マッキャンエリクソンが発行した父親研究冊子「Real Fathersリアルファザーズ」によると、現代の家族は「ネットワーク型」になっていると言う。「ネットワーク家族」とは、父、母、子がそれぞれ家庭の外との関係を重視しながら、家庭とも向き合い、家族の中での自分の役割を見出すことで、必要に応じて家族同士が緩やかに繋がっている形態である。家族の絆やコミュニケーションが希薄になっていると言われる中で、どのような背景があるのか。

 かつての家族といえば、地域社会など共同体のルール下で、父親を頂点として母、子が序列した家父長型の家族が主体であり、強い束縛によって家族間の結束が保たれていた。80年代になると核家族化がさらに進展し、家族は消費社会の中心として脚光を浴びることとなり、ニューファミリーと称されることになる。同時に、社会的な女性の地位向上の流れの中で、家庭の中でも夫婦は対等なものとして同権化していく。その後、個人主義が進む中で、家族もそれぞれが家庭の外との繋がりやコミュニティーを構築し、家族のあり方そのものが曖昧なものとなっていく。親子の序列も崩れ、家族間の関係もよりフラットな形へと変化し、子は親に対して友達と同じ感覚で接し、親は子どもの気をいかに惹くかという試行錯誤をする。そうした、家庭の崩壊や行き過ぎた個人主義の揺り戻しが、家の外から再び家庭に目を向け、家族を再評価するという流れの根底にあるのではないだろうか。
 そうした家族の変遷の中で、一家の主である父親の役割はどのように変化しているのか。

【チャートでわかるお父さんと家族の関係(図1)】

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