「なかなか決められない人」と決断できる人の差 あなたが「物事を決断できない」5つの理由
決断できる人:世の中のルールとその意味を知っている
すごく疲れているときに、目の前に上りのエスカレーターがあったとします。もう一歩も動きたくない気分です。皆さんはそんなとき、エスカレーターの右側と左側、どちらに乗りますか?
おそらく、多くの人は迷うことなく、じっと立っていられる列(多くの地域では左側)に乗るという決断をすることでしょう。なぜなら、そちら側に乗れば、エスカレーターの上を歩かなくてもいいというルールを知っているからです。
じつは、世の中にはこのようなルールがたくさん存在します。「上司と一緒にタクシーに乗るときはどの席に座るべきか」「エレベーターではどの位置に立てばいいか」「コース料理のフォークとナイフはどれから使えばいいか」などなど、知っていれば迷わなくてすむことがたくさんあるわけです。
自分の判断基準が確立していないと迷う
したがって、こうした世の中のルールをたくさん知っている人は、すぐに正しい決断ができます。同様に、自分なりのルールや判断基準が確立している人も、迷わずに素早く決断できます。逆にいうと、世の中のルールを知らない人や、自分なりの判断基準が確立していない人は、なかなか決められないというわけです。
ただし、ここで注意が必要なのは、ルールというのはあくまで「情報(知識)」にすぎないということ。つまり、それを一つひとつ覚えていたらキリがないということです。
では、どうすればいいのでしょうか。それは、「なぜ、そうなのか?」という「考え方」を理解することです。そのルールの意味、ルールの本質といってもいいでしょう。例えば、「上司と一緒にタクシーに乗るときは、自分は助手席に乗る」というのは情報です。それに対して、考え方とは「なぜ、助手席に乗るべきなのか?」、すなわち「目下の者は、行き先を指示したり、会計をしたりといった雑用をするために助手席に乗る」ということです。
表面的な情報を知っているだけでも、決めることはできます。しかし、それだけでは応用が利かないのです。これまで直面したことのない場面に遭遇して慌ててしまうのは、考え方を知らないから。マニュアルに書かれていないイレギュラーなことが起こると対応できない人がいますが、これはまさに考え方を知らない人の典型例といえるでしょう。
ルールをたくさん覚えること、より多くの情報を収集することももちろん重要です。しかし、正しい決断ができるようになるためにより重要なのは、考え方、すなわち意味や本質を理解しておくことなのです。
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