東大生の親に「お受験ママ」が異様に少ないワケ 強制でも放任でもない「3つの親力」とは何か
小学校・中学校というのは義務教育ですから、国や社会からの要請で勉強をやらなければならない時間だと考えることができます。ですが、高校生というのは、本人にその自覚がなかったとしても、誰かから強制されて教育を受けているのではなく、「自発的に」勉強する期間です。
高校生になったら、もう勉強にも、それ以外のことに関しても「強制」ではなく「自発」によって行動させる。そう決めて、どんなに気になっても口出しはしない。そういう教育をしている親御さんが、東大生には多いようです。
家庭が「気持ちが安らぐ」場所になっている
最後は、「合格してほしい」と思わないというものです。
……なんて言うと、「そんなわけないだろ」と思う方が多いと思うんですが、実はこれ、東大生の親御さんの最大の特徴なんです。
東大生の親御さんは、「自分の息子や娘が東大に合格して、社会的地位を得てほしい」と望んでいることは少ないです。もちろん、「自分の子どもが本気で頑張っている目標」を応援しないわけではありません。でも逆にいえば、親御さんにとって受験というのは、しょせんその程度の話なんです。
別にそれが東大以外の大学だろうが、「スポーツでいい成績を収める」でも「e-スポーツの選手になる」でも、「自分の子どもが頑張っていること」は平等に応援するべきで、それ以上でもそれ以下でもないと考えている場合が多いんです。
例えばある東大生は、東大受験を終えて、試験が終わったその日に「お疲れ様の会」を開いてもらったことがいちばんうれしかったと語っていました。合格か不合格かはいったん置いておいて、とりあえず無事に試験を受けることができた。そこまで頑張り続けることができた。結果ではなく、その頑張りを親御さんが評価してくれた……。それがいちばん、うれしかったのだそうです。
親御さんが結果にこだわってしまうと、どうしても子どもはその重圧を感じてしまいます。
「落ちたらどうしよう」「受からないと、親が悲しむ」。そういうプレッシャーというのは、ある種「強制」に近いものです。試験会場でどうしても重荷になってしまうこともあります。
でも逆に、「受かったら親をはじめ、いろんな人が喜んでくれるかもしれないから頑張ろう!」と自発的に思えると、受験生にとってそれはプレッシャーではなくモチベーションになるのです。
また、受験というのは非常に長いイベントですから、親御さんが受験というイベントを特別扱いしてしまうと、子どもは疲弊してしまいます。気分を休めるはずの家でも受験ムードで、落ちたら地獄・受かれば天国……みたいな感じだと、どうしても途中で無理が祟ってしまうのです。僕はそれで失敗した受験生を何人も見てきました。
しかし逆に、特別なイベントではなく、ほかのものと同じような扱いで「ダメでもまた頑張ればいい」「この頑張りが無駄になるわけじゃない」と思って試験会場に行くことができると、思わぬ力を発揮することができるかもしれないのです。
いかがでしょうか? 東大生の親は、子どもが「自発的に」何かを考え、選択し、努力することをいろんな角度から応援していることが多いのです。
僕も思い返して見ると、偏差値35なのに東大を目指すことを許してくれたり、2浪という選択を許してくれたりと、自発的に行動することを許してもらえたからこそ、今があるように思えてなりません。僕も親になったら、子どもにそう思ってもらえるように接することができればと思います。
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