「高校野球」止まらぬ部員減で低落不可避のワケ

今こそパラダイムシフトが必要だ

競技人口の減少は、学校間の実力格差にもつながる。福島県では聖光学院が2007年から12年連続で夏の甲子園に出場している。高知県でも明徳義塾が過去10年で8回夏の県大会を制している。

残念ながら、高校野球の部員数は今後も減少し続ける。これは不可避だ。

過去10年の小学校軟式、中学軟式、高校硬式1年生、高校硬式全学年の競技人口の推移は下記の通りだ。小学校はスポーツ少年団、中学は、中体連が発表した資料による。

小学生、中学生ともに激しい勢いで部員数が減少している。

中学校の軟式野球チームとは、学校部活の軟式野球部だが、今では生徒だけでなく指導者も不在になって部活そのものが成立していない学校も多い。

2016年まで小学校、中学校の野球部員数が激減しているのに、高校の部員数がほとんど横ばいという状態が続いていた。

これは、以前にも紹介したが、中体連の軟式野球とは別の、中学硬式野球リーグの存在が大きい。ボーイズ、リトルシニア、ヤング、ポニー、フレッシュという5つの硬式野球リーグは合わせて5万人ほどの選手がいる。

中学硬式野球が高校野球人口を支えていた

中学硬式野球は「野球塾」と言われることもあるが、軟式よりも本格的な用具や施設を使い、レベルが高い選手が集まっている。多くの選手は中学の大会で好成績を上げて、甲子園に出場するような有力高校に進もうとする。一部には過熱気味の親、指導者もいる。この中学硬式野球の存在が、高校野球の競技人口を支えていた。

しかしながら、中学硬式野球の競技人口も下降線をたどりつつある。筆者は昨年、主要4団体に取材をしたが、ポニー・リーグを除く3団体では選手数が前年を下回っていた。小学校から硬式野球に進む子どもの減少が響いているとのことだった。すくなくとも少年硬式野球が高野連の部員数を押し上げるようなことは今後起こらないものと思われる。

小中学校の野球競技人口の減少は、数年のタイムラグを経て高校野球に波及している。小学校は下げ止まった感もあるが、高校野球の競技人口は来年以降、さらに急激に落ち込むことは避けられない。

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