「地方出身の東大生」の独学術が本質的すぎた なぜ「学校の先生と仲がいい」人が多いのか

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都会で多くの情報に触れていると、身の回りにあるのが当たり前すぎて「活用しないと置いていかれるかも」という感覚にはなりにくいです。しかし、情報の流入が少ない地域の学生は、情報が少ないからこそ、いろんなものを活用しようとする意識、そして活用しなければ置いていかれるかもしれないという感覚を持って勉強しているわけです。

「いろんなものを活用しようとすること」「さまざまな情報にきちんと感度を高くしておくこと」。独学で目標を達成しようとするときは、身の回りのものを活用し尽くそうとする姿勢が大切になってくるのかもしれません。

独学法3:「生の感覚」を大切にする

最後は、「『生の感覚』を大切にする」というものです。

地方にいると、東大に受かった先輩や、東大を目指す学生に会うことが極端に少なく「頑張り方がわからない」という問題が頻繁に発生します。自分と目標との距離も測れないし、自分の努力・実力がどの程度なのか、模試の結果だけではなかなかわからないのだそうです。

しかし合格した人は、なんとかして「生の感覚」で東大生を知ろうとした経験がある人が多かったです。

例えば塾に行って東大合格確実なぐらいの成績の友達を見つけたり、知り合いのツテで東大生または東大卒の人に会ったり。わざと東京の夏期講習・冬季講習を取って、東大志望の人を探した人もいました。

会って何をするかというと、別に何もしないのだそうです。普通に友達になって、話をして、「同じ人間であることを確かめる」のだそうです。

その人のことを観察して、自分と根本的に違う人間というわけではないことを実感として確かめて、そして東大と自分の距離がそんなに遠いものではないことを知るのだそうです。

漠然と「東大生」のことを知っている状態ではなく、「1人」ときちんと向き合って、仲良くなって、その人のことを知ることで、「自分も東大に行けるかもしれない」と思う。そうすることでモチベーションを高め、東大に合格することができた。そう語る東大生は、2人や3人ではありませんでした。

彼ら彼女らは、インターネットで調べて情報としては東大のことを知っていますし、模試を受ければ自分の実力を把握することだってできます。東大生のTwitterをフォローしたり、東大合格確実な人とSNSで友達になっていることだってあります。

しかし、「ネットの情報」と「生の感覚」とでは、全然意味合いが違うのだそうです。模試で何回A判定が出ていたとしても、1回も東大生と会ったことがない状態では「自分もきっといけるはずだ」とはなかなか思えないのだそうです。

情報が氾濫している時代ではありますが、だからこそ「生の感覚」にも価値があるのかもしれません。僕たちはどうしてもネットだけで情報を得ようとしてしまいがちですが、実際に人と会って、その試験に合格した人に話を聞いてみる中で得られることも、たしかに存在するのだと思います。

いかがでしょうか? 他人に自分の勉強を開示し、アプリやネットを活用しながらも、生の感覚も大事にする……。この独学術は、受験以外の分野にも応用できる要素を含んでいると感じます。みなさんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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