アウディ「A6」乗ってわかった最新進化の実力 「かなりイイ」という噂は本当なのか

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高速道路のレーンチェンジでは、高速は前輪と同位相(同じ方向)に後輪が動くことで安定しつつ機敏な動きを見せる。その際、ダンパーの減衰力が自動で調整されるので必要以上に車体がロールするのが抑えられるし、ステアリングホイールの切れ角も速度や操舵のスピードに合わせて調整されるのである。

「S line」には専用の3本スポークのスポーツステアリングホイール(写真:LEON編集部)

このパッケージが装着されていれば、基本的にはセダンもアバントと呼ばれるスタイリッシュなステーションワゴンも、同じように、楽しめる。これはお勧めの装備だ。

もちろん、ベースがいいから、ハンドリングパッケージが活きてくるのも事実だろう。エンジンは1370rpmから4000rpmにかけて500Nmの最大トルクを発生するので、低回転域でも力がたっぷりあり、かつ回転を上げていくと、ぐんぐん加速していく。そのフィールがとてもいいのだ。

最新技術が調和した乗り味はまさに先進的

車体の剛性感は高く、路面にうねりがあろうと、びしっとしている。一方、ステアリングホイールを切ったときの動きは、硬いばかりでなく、えもいわれるしなやかさを感じる。ステアリングホイールやシートを通じて体にそれが伝わってくる。シャシーのせいだろうか。

まあ、リクツでなく、クルマ遍歴をあるていど重ねてきた人なら、黙って座ればぴたりと当たる、というかんじで、ステアリングホイールを握って少しの距離でも走れば、すぐ好きになると思う。

クワトロシステムはユニークだ。1つには燃費向上のための最新テクノロジーが盛り込まれていることがあげられる。高速などでアクセルペダルを強く踏まない、いわゆる低負荷のときは、後輪へトルクが行かないようにセンターデフがフリーになる。

さらに燃費のために、エンジンとドライブトレーン自体も切り離される。つまりアイドリング状態で走っていられるのだ。ガソリンエンジン車の魅力を堪能させてくれつつ、できるだけ環境への配慮が行われている。

四輪を駆動するタイミングはコンピューターが判断する。カメラとレーダーで先方に4つのタイヤに駆動力を配分したほうがいい状況が出現すると(出現するとクルマが予測すると)瞬時にクワトロシステムがスタンバイする。つねに0.5秒先の状況を読んでいて、4つのタイヤを駆動するために要する時間は0.3秒しかかからないそうだ。

インテリアの質感が高いというアウディ車の魅力を、A6もちゃんと備えている。ドライバーシートにいると、シート表皮の感触と座り心地とともに、ステアリングホイールを握った感触まで、丁寧な気配りで仕上げられているのがわかる。

ドアの開閉のときの音、サイドウィンドウが上がり下がりするときの音、操作系やウィンカーレバーのクリック感など、徹底的に注意が払われているのだ。

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