ボルボがステーションワゴン「V60」をフルモデルチェンジし、9月25日に日本市場へ投入した。
日本にもかつてステーションワゴンブームがあった
かつて日本市場にもステーションワゴンブームがあった。それは単なる販売台数の増加ということだけでなく、たとえばエアロパーツやインチアップしたタイヤ&ホイールなど、いわゆるアフターパーツマーケットを巻き込んだ一大市場を形成していた。いまではにわかに信じられないことだ。
1980年代、欧州や北欧、そして北米の自動車メーカーは、こぞってステーションワゴンを世に送り出した。それらはステーションワゴンという呼び名以外にも、エステートやシューティングブレークなどとも呼ばれ、それぞれの土地で販売台数を着実に伸ばし始める。
日本市場にその流れが訪れたのは1980年代後半だ。スバル「レガシィツーリングワゴン」(当時の社名は富士重工業、現・SUBARU)、ホンダ「アコードワゴン」はステーションワゴン専用ボディとして、日産自動車「アベニール」、トヨタ自動車「カルディナ」は商用バンとボディこそ共用していたが、いずれも商用バンと決別を図った上質な装備をもち、使いやすく広々としたラゲッジルームをもったステーションワゴンとして市場へと導入されたのだ。
そんなステーションワゴンがもつ魅力が再認識されている。国産自動車メーカーでこそ、純粋なステーションワゴンボディを頑なに守り続けるのは、「レヴォーグ」を擁するスバルのみとなってしまったものの、ひとたび世界に目を向けてみれば百花繚乱とはいかないまでも、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったドイツ3強ではC/Dセグメントに立派なモデルを据え続けつつ、イギリスではジャガーがXFシリーズにステーションワゴンを展開するなどステーションワゴンはいまだに根強い人気を保ち続けている。
北欧スウェーデンのボルボもステーションワゴン歴を長くもつ自動車メーカーのひとつだ。1953年に登場した「PV445Duett」をルーツとするステーションワゴンシリーズは、1996年に登場した「V70」以降、いずれのステーションワゴンは多様性を意味するバーサティリティの頭文字をとった「V」を冠にもち、そのラインアップを絶やさず今に至る。
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