アウディ「A6」乗ってわかった最新進化の実力 「かなりイイ」という噂は本当なのか

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タブレット型スマート端末のように使えるというふれこみの「MMIタッチレスポンス」搭載(写真:LEON編集部)

A8やA7スポーツバックと同様、計器盤はデジタルだ。かつダッシュボードには「MMIタッチレスポンス」と呼ばれる液晶モニターを、タブレット型端末のように操作するインフォテイメント用のシステムが備わっている。

このモニター画面は慣れると使いやすい。例えば私が個人的に気に入っているのは、ナビゲーションの目的地(よく行く場所)をアイコン化してトップ画面に貼り付けておき、そこに触れるだけでナビゲーションシステムの道案内が起動する機能である。

室内は広く快適な乗り心地

室内は広い。前席は気分が浮き立つ場所だとすると、後席はゆったりしたスペースでくつろぐ場所だ。2925ミリという長いホイールベースは、A8標準ボディの3000ミリには及ばないが、A7スポーツバックと同寸で、その恩恵にたっぷりとあずかれる。

後席の広さは数字だけでない。シートの配置などパッケージングがいいので、前席の後席の間は広々としているし、後席乗員の頭の上の空間もたっぷりある。

これまではドライバーズカーとして最高!と書いてきたけれど、後席に人を乗せるのも得意なクルマなのだ。家族のために乗るのもいいだろう。アウディのSUVもけっして悪くはないのだが、やはりサスペンションのアーム長がたっぷりあるセダンやステーションワゴンにはかなわない。

高速ではゆったりとした快適な乗り心地も味わえて、どんな長距離ドライブでも耐えられる。いや、耐えられるというより、ドライブを楽しんでいられる、といったほうが正確だろう。

価格は「A6セダン55 TFSIクワトロS line」が1006万円、「A6アバント55 TFSIクワトロS line」が1041万円だ。両モデルに「デビューパッケージ」も用意される。

「デビューパッケージ」は、スポーツシートでなく標準シート、スポーツサスペンションでなくダイナミックサスペンションとなる一方、ホイールは20インチ(S lineは19インチ)になり、クロストラフィックアシスト(S lineはオプション)も標準装備だ。価格はセダンが920万円、アバントが955万円である。

競合は、メルセデスなら3リッター直列6気筒にISGシステムとツインチャージャーシステムが組み合わされた「E450 4MATIC Exclusive」(セダンが1074万円、ステーションワゴンが1138万円)、BMWなら3リッター直6の「540i xDriveセダン」(1064万円〜)が思いつく。

どれもいいクルマである。キャラクターがしっかり立ったモデルがそろうマーケットだ。A6にはA6にしかないドラインビングの個性があるので、決して負けていない。

(文:小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト)

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