知らないと損「相続税」40年ぶり大改正ポイント 遺産分割をめぐって争う件数は増加している

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3、遺言書の一部がパソコンで作れるように

自分で書く遺言のことを「自筆証書遺言」と言います。これまでは、そのすべてを自分で手書きしなければなりませんでした。「全財産を○○に相続する」というような簡単な遺言ならいいのですが、財産を複数の人間に相続させるという遺言を作るためには、その一つひとつを遺言に書かなければならなかったのです。

預金であれば銀行名、支店名、預金の種類、口座番号を、不動産であれば登記簿謄本に記載されている情報を、そのとおりに書かなければならないので、すべてを手書きするのはとても大変な作業でした。

そこで、手書きをする負担が大きい「財産目録」部分については、パソコンで作ってよいことになりました(2019年1月13日より施行されています)。

財産目録については必ずしも文書形式でなくてもよくなり、不動産であれば全部事項証明書(登記簿謄本)、預貯金であれば通帳の表紙のコピー(金融機関名、支店名、預金の種類、口座番号、口座名義がわかる部分)などでも認められるようになりました。これらによって、一度作成した遺言書を書き直すなどの手間も減り、自筆証書遺言はかなり作成しやすくなっています。

遺言書を法務局へ

4、遺言書を法務局に預けることが可能に

テレビドラマでもよくあるように、自分で作った遺言書が見つからないとか、遺言書を本人が書いたかどうかが疑わしい、といった問題がよく生じていました。遺言書を書いたと聞いていたのに見つからなかったり、あるいは聞いていた内容と違っていたりすると、相続人の間で不信感が生じることになり、もめる原因にもなりかねません。

そこで、2020年7月10日から自筆証書遺言を、法務局で保管する仕組みができました。つまり、国が保管してくれるというわけです。

遺言書を作成した本人が法務局に預けることになるため、内容について疑いが生じることはありませんし、保管場所が法務局とわかっていれば、遺言書が見つからないということもありません。

さらに、これまで自筆証書遺言は相続人が家庭裁判所に持っていって「検認」という手続きをしなければならず、手間も時間もかかっていたのですが、法務局に預けてある場合には検認の手続きもいらなくなります。

この制度によって、遺言書を作ることのメリットがより大きくなり、遺言書を作成する人が増えることが考えられます。

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