「働かないオジサン」がいない会社の工夫 40歳に訪れる「こころの定年」にどう対処するか

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38歳は、働かないオジサンになる曲がり角?

リクルート社でまず思い出すのは、かつて「38歳定年制」と呼ばれていた人事制度である。もちろん38歳になったら全員が定年でリタイアするわけではない。

制度に多少変更があったと聞いているが、数年前に各社の退職金制度を調べていたときには、リクルート社では38歳のときに辞めると、受け取る退職金が最大になるということだった。60歳の定年時の退職金が最も多いわけではないことは興味深い。38歳で最大になるのは、起業・独立や転職に関する支援金を支給するという意味合いが大きいのだろう。

考えてみると、この38歳というのは絶妙なタイミングである。第3回の、働かないオジサンを生み出す仕組みを表した以下の図を思い出していただきたい。

学生から、新卒一括採用を経て入社して、当面は非管理職として現場で働く。そして40歳前後で管理職になる年次がやってくる。大手企業では、管理職になるのは、早くて30代後半、平均すると40歳という調査結果がある。つまり新卒一括採用と組織のピラミッド構造の矛盾が始まる時期、もっと言えば、働かないオジサンが生まれ始める時期が40歳直前なのである。

38歳時点の退職金を最大としているのは、管理機構は小さくして、現場中心でやることを会社が宣言しているように思える。だから退職金の額が最大になる時点を、管理職になるかならないかの境目においている

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