指輪、結婚式、ハネムーンは「なくてもいい」 実はフツーな山里亮太・蒼井優の「ナシ婚」

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長いプロセスになるのは、婚姻届けから披露宴までだけではない。出会ってから結婚する、いわば「独身脱出」をするまでに、長い同棲をしたり、妊娠したりと、長いプロセスを持つカップルも珍しくはない。

プロセス化する「独身脱出」

子どもが生まれたとき、結婚してどれくらいで生まれたかという割合の経年変化を調査した結果がある。これを見ると、かつては10カ月に山があったのが、平成の時代に入ってから6カ月に山が移っているのがわかる。

つまり、いまの割合としては「でき婚」はかなり「フツー」なのだ。これは結婚の契機がなかなか見つからず、妊娠を契機に結婚する、つまり「できちゃった婚」ではなく「できたら婚」がかなりあることも影響している。

今回の会見でもそうだったが、今ではどんな芸能人の結婚記者会見でも、妊娠の有無が聞かれる。これは結婚の契機が妊娠ということがそれだけ増えていることを示している。そういえば、5月に発表された元AKB48の川栄李奈さん(24歳)と俳優の廣瀬智紀さん(32歳)の結婚も「でき婚」だった。

川栄・廣瀬夫妻の結婚は別だが、交際期間が長いが契機を見つけられず「できたら婚」になるケースでは、先に同棲を伴っていることが少なくない。

こうしてみると、かつては結婚式・披露宴≒結婚届の提出→同棲≒セックス(初夜とか言われた時代もあった)といった流れがあったのに対して、セックス→同棲→結婚届の提出→結婚式・披露宴と、順序はすっかり逆転し、「独身脱出」のプロセスも長くなったことがわかる。

この点からみても、蒼井・山里夫妻の結婚は、交際2カ月という短期間で結婚に至り、同棲も妊娠もないという意味で「古い」結婚とも言えるわけである。

さて、最後に「婚活」との関係を見ておきたい。言うまでもなく、今回の蒼井さん、山里さんとの結婚は婚活によるものではなかった。名の売れている芸能人は人間的に(なんらかの)魅力がある(と推知される)うえ、経済的にも恵まれているのだから、「婚活」などしなくてよい人が多いだろう。

ところが、近年では積極的に結婚するため努力する「婚活」をする芸能人もいる。その典型として、婚活本の典型といえる水野敬也さんの『スパルタ婚活塾』を座右の書として婚活に臨み、自らも婚活本『追い込み婚のすべて』を出版したお笑い芸人・横澤夏子さんがいる。

最近の女性お笑い芸人としては早い27歳で結婚した横澤さんの場合、自身の望む男性を手に入れるため、21歳から26歳までの間に100回ほど婚活パーティーに参加したという。

さらには婚活アプリ、街コン、相席屋、婚活居酒屋と、いわゆる「婚活」に全力投球だ。この背景には、なぜか男性に引かれてしまう女性お笑い芸人という職種もあるのだろうが、地元新潟の友人が続々と結婚していたり、結婚に焦っている部分もあったのだろう。

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