ブラックマンデーがあった1987年と似てきた? 正念場を迎えた、アベノミクス

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中野 ドイツのメルケル首相も円安には相当、頭に来ているみたいですし、これを機に「調子に乗るな!日本」というムードが広まると、円高が進む恐れがあります。

安倍首相から、成長戦略論を聞きたかった

藤野 さっきも言ったけど、大発会で大型株が売られる一方、小型内需株は比較的しっかりしていたというのも、実はマーケットが円高トレンドを織り込みに行っているとも考えられます。靖国参拝に対する海外各国の反応って、どうですか。

渋澤昨年の12月26日という、自民党の政権交代の1年が経った「記念日」に焦点を当ててほしかったのは、やっぱり経済ですね。本当なら、「さらに経済成長させるべく、これから確実に成長戦略を実施します」といった言葉を安倍さんの口から聞きたかったです。

靖国参拝は複雑な問題ですし、「よくやってくれた」という国民感情が少なくないのは理解できます。一般論として、母国のためにと信じて命を犠牲にしてくれた人々に、国の指導者が敬意を示すということは、どの国でも当たり前のことでなければならないはずです。

しかし、中国や韓国との関係で言うと、安倍政権が誕生した時、彼らは「日本は右傾化した」という認識が強かった。ある日韓会議では、僕は、「そうじゃない。今までの日本は左向きのスタンスでスライスボールを打って、かろうじてフェアウエイに乗せていた。これからは真ん中のスタンスで真っ直ぐ打とうということだけなのではないか。右スタンスでOBを打ちたいとは、誰も思っていない」と発言しました。

でも、これでは、次回の会議で「ほらね、やっぱり右傾スタンスだったでしょ」と反論されるかもしれませんね。北朝鮮が不安定な情勢で、たとえば韓国政府も、そろそろ日本政府と関係の修復と思っていたタイミングだけに。

安倍首相は、東南アジア、東ヨーロッパ、中東やアフリカを訪問するなど、歴代の総理大臣と比べると外交フットワークが軽く、かなり良い仕事をしてきたと思っています。米国や欧州も問題視しており、もし、この件で各国とも日本との外交関係を抑え気味にするということになれば、日本の国益にも支障を来す恐れがあります。

次ページすべてをわかっていて、実行に移した安倍首相
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