ブラックマンデーがあった1987年と似てきた? 正念場を迎えた、アベノミクス

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中野 そうはいっても、一党独裁の社会主義という政体を持っているという意味では同じじゃないですか。特に北朝鮮との国境を担当している瀋陽軍区は、北朝鮮に食糧や武器を支援していて、人民解放軍のなかでも最強と言われています。そこが北朝鮮の軍隊である朝鮮人民軍と結び付いて、中国の内乱につながるリスクもあるのではないですか?

渋澤 う~ん、2014年はどうやら一本調子ではなく、動乱の年になりそうな気がしてきた。年初から株式市場も400円以上下げたしね。こりゃ、コツコツ積み立てていくしかないか。

中野 まあ、でも下げたところがチャンスとも考えられますし。

渋澤 MRFの純資産残高が過去最高の10兆円っていう報道もあったけど、これはキャピタルゲイン課税が本則の20%に戻る前に、とりあえず利益を確定させようとして、持ち株などを売却したお金が流れ込んでいるのでしょう。

これに、その他のキャッシュなども含めれば、かなりの買い余力があるでしょうね。株価が大きく下げたところで、この手の資金が再び株式市場に戻ってきてくれたら、株式市場にとってはプラスになる。ただ、去年のような政策的サプライズが全体を押し上げる要因が少ないように思うので、今年は個別物色の動きが強まって、アクティブ運用が主流になるんじゃないかな。

藤野なんか、このところの環境って、1987年のブラックマンデー前夜と似ているような気がしますね。当時は、日本はバブルの中間地点で、米国ではレーガン政権が二期目の中間選挙の年を迎え、FRB議長がボルカーからグリーンスパンに交代。アベノミクスがバブル化するかどうかはともかく、米国はオバマ政権が二期目を迎えて中間選挙でしょ。FRB議長もバーナンキからイエレンに交代するじゃないですか。

渋澤 あとは、やはり長期金利の上昇にも気をつけたいですね。そうなれば、まさに同じ。次の「○○ショック」のタイミングを当てることは不可能だろうけど、アベノミクスがバブル化するとしたら、それは政府が主導で引き起こしたものであるだけに、崩壊した時が怖いね。

中野 僕たち今日は新しい草食投資タイを絞めてきましたが、お互い首が絞まらないように、今年も頑張って行きましょう。

草食投資隊のネクタイ「草食投資タイ」をプレゼント!

コツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めているセゾン投信社長中野晴啓さん(左)コモンズ投信会長渋澤健さん(中)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(右)

「草食投資隊」の新しいネクタイができました!(右の写真)。オモテは草食をイメージしたグリーンが基調。裏も、とってもおしゃれなデザインになっています。

今回は新ネクタイ完成を記念、「東洋経済オンライン」読者の中から1名の方にプレゼントいたします!ご希望の方はこちらのURLにアクセス、必要事項をお書きのうえ、ふるってご応募ください!なお、申し込み締め切りは1月末まで、当選は賞品の発送をもってかえさせていただきます。

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

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そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

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