レアル移籍の久保建英は世界で爪痕を残せるか コパ・アメリカのサッカー日本代表はどうなる
その前提でチームの軸を担う人間を考えてみると、すでにA代表でレギュラーをつかんだ状態の冨安健洋(ベルギー・シントトロイデン)、ボランチの柴崎岳、2シャドー(影のストライカーを意味し、フォワードと攻撃的MFの中間に位置)を形成するとみられる久保と中島翔哉(カタール・アルドゥハイル)の4人が浮上する。
まず冨安だが、ご存じの通り、1~2月の2019年アジアカップ(UAE)でMVP級の働きを見せ、キャプテン・吉田麻也(イングランド・サウサンプトン)ら実績あるDF陣をしのぐ存在感を誇った。187㎝の高さと冷静な状況判断力、1対1の強さ、攻撃の起点となるパス出しやフィードのうまさと現代サッカーのDFに必要な要素をすべて備えている選手とも評される。
今季シントトロイデンでも指揮を執るマーク・ブレイズ監督が「スタメンを決める際、真っ先にリストに名前を書くのが冨安」と語ったというほど絶大な信頼を勝ち取っていた。
実際、ベルギーではリーグ37試合に出場。アジアカップ期間以外はフル稼働したことになる。それだけの存在感を誇った彼には目下、イタリアの名門クラブからオファーが届いていると言われ、今大会後には大型移籍も十分ありうる状況だ。
強敵相手にどう攻撃陣を封じるのか
日本が守勢に回る時間帯が長くなると予想されるだけに、冨安率いる最終ラインがうまく機能しなければ、爆発力あるチリやウルグアイの攻撃陣は封じられない。
チリにはアレクシス・サンチェス(イングランド、マンチェスター・ユナイテッド)、ウルグアイにもルイス・スアレス(スペイン・バルセロナ)やエディンソン・カバーニ(フランス・パリサンジェルマン)ら世界最高峰FW陣がいる。
冨安が中心となり、A代表初の板倉滉(オランダ・フローニンゲン)、立田悠悟(J1・清水エスパルス)、あるいは2018年ロシアワールドカップ組の植田直通(ベルギー、セルクル・ブルージュ)らとともに形成する3バックをうまく統率し、強固なブロックを形成することが必要不可欠になってくる。
「やっぱり個の力はあると思いますし、そこにいかにして戦うのか。1対1も大事だけど、いかにグループで守るのか。それを考えながらどんどんチャレンジしていきたい」と普段冷静な20歳の冨安が興奮気味に語っていた。その高いモチベーションが前向きな形で出せれば、好パフォーマンスにつながるはずだ。
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