ブルーベリーに健康効果以上の効用がある事実 「スーパーフード」に分類、認知機能の向上も
米タフツ大学などの研究者が高齢の男女を対象に行なった実験によると、ブルーベリー摂取で認知機能が向上した。
実験では、60〜75歳の男性13人、女性24人に24グラムのフリーズドライのブルーベリー(生のブルーベリー1カップに相当)もしくはプラセボを90日間、毎日摂取してもらった。その後、言語記憶評価テストや作業切り替え能力テストなど認知機能を調べる検査を受けてもらったところ、ブルーベリーを摂取したグループは、プラセボを摂取したグループと比べテスト結果が良好で、高齢者における認知機能の改善にブルーベリーが役立つことが示唆された。
米アーカンソー大学のルーク・ハワード博士によると、ベリー類に含まれるフェノール画分や揮発性物質が、がんの増殖を抑える可能性があるという。ヒト結腸がん細胞を使ってベリー類の増殖抑制をコントロール群と比較したところ、ブルーベリーのフェノール画分はがん細胞の増殖を58%抑制した。
最近の研究では、脳と腸が密接な関係にあることが分かっている。脳機能の調整には腸内フローラの調整が効果的だとするアイルランド国立大学コーク校の研究員たちによる研究結果もある。
英イースト・アングリア大学のデイビッド・ヴォゾー博士によると、腸内フローラは、遺伝や環境、生理学的な要素によって異なるが、食生活によっても変化する。食事によって腸内フローラを調整し、間接的に脳機能に働きかけることで健康的に歳を重ねていくという研究がなされており、特にベリー類に豊富に含まれるポリフェノールには、認知機能の低下を防止する他、腸内フローラの構成や代謝を調整する力があると多くの研究で報告されているという。
さまざまな効果を持ち、かつ低カロリーで栄養豊富
ノースカロライナ州立大学のメアリー・アン・ライラ博士は、米オレゴン州ポートランドで5月7日〜9日に行われた「ベリー・ヘルス・ベネフィッツ・シンポジウム」(「ベリーの健康効果シンポジウム」、以下「ベリー・シンポジウム」)で、ベリー類が肉体疲労の回復に効果があるとの研究結果を明らかにした。ライラ博士らが行なった実験では、ベリー類に含まれるポリフェノールが、アスリートが激しいエクササイズをした際に発生した炎症ストレスを軽減したという。
USハイブッシュブルーベリー協会によると、ブルーベリーにはビタミンC、ビタミンK、食物繊維、ポリフェノール(アントシアニン)が含まれている。1カップわずか80kcalと低カロリーなのも魅力だ。
ブルーベリーは、日本ではパンケーキやマフィンなど甘いものに使うイメージが強いが、米国では魚料理のソースやサラダのトッピングに使ったり、そのままデザートとして食べたりしているそうだ。皮を剥いたり種を取ったりする必要なくすぐ食べられるため、手軽なおやつにもなる。日本では夏季に生のブルーベリーがスーパーマーケットなどに出回るため、そろそろスーパーの商品棚を注意してみよう。
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