新社長は"大穴"?新日鉄住金が社長交代発表 決め手は調整能力、社内融和を進められるか

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新体制で統合深化と海外展開を加速させる(左から宗岡会長、進藤次期社長、友野次期副会長)

「まったく新しいことをやりたいとは思わない。会長と社長が敷いた路線を踏襲していく」――。抱負について尋ねられた新日鉄住金の次期社長はそう答えた。

新日鉄住金は1月16日、社長交代人事を発表した。4月1日付で進藤孝生副社長が代表取締役社長に昇格し、友野宏社長は代表権を持つ副会長に就く。宗岡正二・代表取締役会長は留任する。

2012年10月、旧新日本製鉄と旧住友金属工業の経営統合によって新日鉄住金が発足して以降、新日鉄出身の宗岡会長がCEO(最高経営責任者)、住金出身の友野社長がCOO(最高執行責任者)として業務を分担してきた。今後は経営と執行の権限を進藤次期社長に集中させ、2人はサポートに回るという。

「今回の社長交代で旧新日鉄の頃の会長と社長の関係に戻る」(宗岡会長)。進藤次期社長は「中期経営計画の推進、経営統合の完遂、業務システムの統合、海外需要の捕捉を従業員一丸となってやっていくこと」を経営方針として掲げた。

進藤氏は1973年に一橋大学経済学部を卒業後、旧新日鉄に入社。総務や人事、経営企画といった管理部門を中心にキャリアを積んできた。かつて部下だったある関係者は「極めて常識人で、求心力もある。海外の大型案件でも、部下の意見を聞いて正しい判断と下せる」と評価する。

次期社長として進藤氏を選んだ理由について、宗岡会長は「高校時代にラグビー大会に出場したラガーマン。若い頃にハーバードビジネススクールを卒業しており、グローバルな視点と組織をまとめる優れたリーダーシップを発揮する人だ」と語った。

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