専業主婦「徳永有美」がテレビに戻り見えた役割

「戦う=頑張って立ち向かって生きていく」

徳永:この歳になってみないとわからないことっていっぱいあるじゃないですか。

河崎:うん、あります、内面も外面もね。

徳永:驚きますよね、歳を取るってこんなことなんだって。外見がどうこうももちろんですが、人間関係や人のいろんな感情が見えてくる利点もあって、ああ歳を取ったんだなと思います。なんにせよ40歳はなってみないとわからない年齢だったし、戦いだなと思います。20代は勢いですし、30代は女性として輝く時期というか。38、39歳くらいから一気に「あれ?」って変な波が押し寄せてくる。40歳から急にいろいろ厳しくなって……私はおばさんなんだなと実感するんです。若い人と同じ気持ちでいるはずなのに(笑)。

河崎:私もいまだに自分は24歳くらいの気持ちですよ(笑)。

徳永:私も「すみません、若輩なんすけど」みたいな気持ちでいるんですけど、現実はまったくそうじゃないから(笑)。若輩感、みんなと同じだよって言いたいときはなるべく言いますし、そういう雰囲気でないときはなるべくドシンと構えているしかないし。自分の中に人には言えない葛藤があって。戦うことをやめたら、すぐに自分に負けるだろうな、と思います。

「1」の諦めが「マイナス100」になる40歳

河崎:わかります。40歳を過ぎると、これって自己管理、自分との闘いの世界ですよね。

徳永:今までは「1」諦めたらそれは「マイナス1」で済んでいたのが、いま「1」諦めたら「100」くらいズザーっと落ちちゃうので、リカバリーも大変(笑)。そこはもう、たゆまず戦って、絶対負けてられないっていう気概を持って。自分なりの空気感を大事にして、あとは毎日勉強して、もう努力のみ……。

河崎:令和という時代が始まりましたが、「令」ってルールという意味でもありますね。ルールやセルフコントロールは決して悪いことではないし、まあ40歳も越したわれわれには必要な秩序なのかも(笑)。

徳永:そうですね、賢くやっていかなければと。スタジオでもそうなんですが、ディレクターたちが作った熱意のあるVTRに、スタジオの私たちもそのまま熱意を120%出すのが、見ている人たちにとっていいかというと、もしかしたら過剰かもしれない。自分に強い思いがあればあるほどグッとこらえて言葉を出していくことのほうが、もしかしたら伝わるかもしれない。そういう引き算を、自分なりにスタジオで考えたりします。

河崎:なかなか引き算ってできないものではありませんか? 人生って積み上げることばっかりで……。スキンケアと一緒ですよ、化粧水に美容液だクリームだなんだと足すことばっかりで、私などは引き算を考えられなくて、わりといっぱいいっぱいになるんですよね。

徳永:そうですねぇ。でもいま私、この仕事をやって引き算せざるをえなくなっちゃって。要は余裕がないので、大事なものしか大事にできない状況に置かれているといいますか……。そういう意味ではすごくシンプルですね。最低限、自分の抱えなきゃいけないものしかそばに置かないので。そういう意味では相当引き算された状態であるかもしれない。

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