東京ガスが誇る世界最大のLNGタンク 東京湾岸には大きな魔法瓶が埋まっている!

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IHIのメンブレン
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川崎重工のメンブレン

しかしこのメンブレン、膜とはいえ厚さは2ミリもある。「2ミリもあるなんて、厚いと思うでしょう」。はい、今、まさにそう思っていました。「でも、コンクリートとか断熱材とか、壁の厚さは2.8メートルもあるから、メンブレンはゆでたまごで言えば、薄い膜くらいの存在なんですよ」。

なるほど。悔しいくらい分かりやすい説明だ。そう小さく相づちを打つボクの目は、あるものに釘付けになっていた。模型である。この扇島工場の1000分の1の模型が飾られているのである。実によくできている。

「これ、私が作ったんですよ」と田口さん。手のひらに最新作を載せていた。25キロリットルタンクのふた部分。真鍮製だという。

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JFEのメンブレン
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三菱重工のメンブレン

ボクはココに提言する。東京ガスは、田口さんことLNGPARK館長・田口国次郎さんをもっともっと活用すべきだ。平均年齢40オーバーの取材者を前に、小学生に接するような情熱を持って実に分かりやすく説明できる類い希なる人材が、ちょっとお堅いイメージのある東京ガスにいるなんて、嬉しいサプライズではないですか。

地上型も悪くないかも

そして、多くの人に言いたい。東京ガス扇島工場を見学できるチャンスがあればそれを逃すことなく足を運び、田口さんの名調子に酔いしれないと損をする。子どもたちにとっても、田口さんの説明を聞く10分間は、教室でエネルギーの大切さを学ぶ何時間かの授業を上回る体験となるはずだ。

それにしてもなぜ、かつては地上にあったタンクを地下に埋めるのか。その答えは「景観への配慮」だそうだ。横浜市との協議の結果という。ふたの上の緑化もそのためだ。

コストだけ考えると、地上に丸いタンクを設置した方がいいらしい。実際に、東京ガス第4のLNG工場となる日立LNG基地(建設中)では、地上に円柱形のタンクが並ぶ。ここに従来型のまん丸いの4つが並んでいる姿を想像してみる。首都圏におけるエネルギー消費の膨大さを可視化できるわけだから、それも悪くないと思う。

(構成:片瀬京子、撮影:今井康一)

成毛 眞 元日本マイクロソフト社長、HONZ代表

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なるけ まこと / Makoto Naruke

1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト』(KADOKAWA)、『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』(SB新書)など著書多数。

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