ガスタンクと言えば、海際などに球形または円柱形にそびえているものだが、昨今のトレンドは地下埋設式だという。しかも、そのトレンドの世界一が京浜工業地帯の埋め立て地・扇島にあるという。これは、見ねばなるまい。
今回の現場はJFEスチールの敷地内
さっそく、その現場である東京ガス扇島工場へと川崎駅から車で向かう。市街地を抜け、工場地帯へ入ると、いかにも埋立て地という風景が広がってくる。すると、車が警備員のいるゲートの前で停まった。目的地はJFEスチールが管理する扇島の敷地内にあるため、入構チェックを受けるのだ。その後、東西1号という明快な名前の道路を通り、鶴見川河口にかかる白い吊り橋・鶴見つばさ橋手前にある目的地に着いたのは、ゲートを後にしてから12分後だった。
広い土地には緑地が広がっており、ときおりパイプが見えるくらい。どうやら、主要な施設はすべて地下にあるようだ。
タンク見学の前に、LNGPARKという見学施設で座学を受ける。入り口に敷かれているマットが格好いい。先生役は新タンクの建設責任者・東京ガスの堤洋一さん。
現在、扇島工場には、4つの埋設式LNGタンクがある。そのうち3つ(扇島1号~3号タンク)の容量は、20万キロリットルだ。このタンクひとつで、扇島のある神奈川県横浜市鶴見区の約10万世帯が消費するガス3年分をまかなえるという。そして2013年11月に本格稼働が始まった最新のLNGタンク・扇島4号タンクの容量は、25万キロリットルだ。目下、世界一の容量である。
「海外では、これより大きいLNGタンクの計画を発表した会社がありましたが、実際はその通りには造らなかったようなので、世界最大で間違いありません」(堤さん)
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