――東宝から資料を提供してもらったとのことで。おそらく貴重な資料の数々だったと思うのですが。ゴジラファンとしてこれは!というものもあったのではないでしょうか。
いちばん思い出に残っているのは小道具ですよね。オキシジェンデストロイヤーも見せてもらったんですよ! それと僕が大好きな1954年版の『ゴジラ』の絵コンテを見せてもらいました。それはまるで聖書を見ているようで。いにしえの人の筆致で書かれていたものを見るかのようなおごそかさがあった。ゴジラの生まれたときの、生のスピリットがそこに詰まっている感じがしました。
――ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラと、人気の怪獣が4体も登場すると聞いたときはいかがでしたか? プレッシャーも大きかったのでは?
少しはプレッシャーも感じたけど、同じくらい喜びがあった。挑戦でもあったけど、栄誉を与えられることにワクワクもしました。僕はポスプロの後半になって、よく考えたらゴジラ映画初のアメリカ人監督だということに気づいたんですよ。
ローランド・エメリッヒはドイツ人だったし、ギャレス・エドワーズはイギリス人だったから。その重み、プレッシャーについては、そのときになって初めて感じたんです。でもある程度のプレッシャーというのはいい点もあるんです。緊張感を保てますからね。
東宝の怪獣は、どれも美しい
――キングギドラはゴジラの宿敵であり、恐ろしくも美しい存在ではなければいけないと思うのですが。そのあたりで気をつけたことはありますか。
東宝の怪獣は、どれも美しいですよね。だからわれわれは、彼らに魅力を感じるんだと思う。デザインもどこかなじみがあるようでいて、神秘的な、神話的な要素もある。それぞれにユニークですよね。しかもその個性とマッチしている形、色彩があります。
キングギドラというのは、ゴジラと同じようにデザインがユニークだからこそ、ここまでのアイコンになれたと思う。今回は、東洋のドラゴンをイメージしてデザインをしている。「ゲーム・オブ・スローンズ」じゃないけど、映画であれ、テレビであれ、西洋風のドラゴンはよく出てくるけど、東洋風のドラゴンはあまり出てこないですよね。今回のキングギドラはそういう要素を反映させています。
どちらかというと大蛇のような、エレガントな要素を付与しているんですよね。もともと僕は子どもの頃から東洋のドラゴンが大好きで。小さい置物をコレクションしてきたんです。だから東洋のドラゴンをリサーチしたうえでデザインをしたというわけなんです。
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