ゴジラが「キングオブモンスターズ」の真の理由 ハリウッド版新作の監督語るゴジラへの情熱

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――『GODZILLA ゴジラ』から始まった「モンスターバース」シリーズは、『キングコング:髑髏島の巨神』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、そして来年公開予定の『ゴジラvsキングコング』(仮)へと続きます。こうした世界観が、しっかり統一感を持った形でクオリティ・コントロールされているなと感じたのですが、例えば「マーベル」にはケビン・ファイギがいるように、「モンスターバース」におけるキーパーソンはいるのでしょうか。

ケビン・ファイギみたいな存在は本当に希有な例だと思うんです。子どもの頃からマーベルコミックを読んで育って。大変なファンでありながら、スマートなビジネスマンでもある。彼のような人はなかなかいない。だから「モンスターバース」の場合はチームとして、全体のクオリティ・コントロールを行っています。

とくに今回のプロデューサーにも名を連ねているメアリー・ペアレントと、このお話をやらないかとオファーをしてくれたアレックス・ガルシアなどは中心人物だと思います。この2人は撮影現場にもずっといたし、編集中もずっといた。監督を選ぶところから始めたので、中心的存在といったら彼らでしょうね。

そしてもちろん、すべての「モンスターバース」を始めたのは、レジェンダリーの創設者でもあるトーマス・タル。ご存じのとおり、今、彼は会社にはいないんですけど、プロデューサーとしてはまだ本作にも名を連ねていますよ。

「ゴジラ」が自然や科学への興味を培ってくれた

Michael Dougherty(マイケル・ドハティ)/1974年アメリカ・オハイオ州出身。2003年の『X-MEN2』や2006年の『スーパーマン リターンズ』などに脚本家として参加。2007年アメリカで公開の『ブライアン・シンガーの トリック・オア・トリート』で長編映画監督デビューを果たす。2015年には『クランプス 魔物の儀式』のメガホンをとっている (撮影:梅谷秀司)

――そもそもドハティ監督はどうやってゴジラと出会ったのでしょうか。

3歳か4歳の頃、ケーブルテレビで東宝のゴジラ映画を放映していて、それを見たのが最初の出会いでした。そして土曜日の午前中にはハンナ・バーベラ版のアニメーションのゴジラもやっていた。だから東宝映画とアニメ版の両方をテレビで見ていて。毎週土曜日はゴジラデーだったということです。

――ゴジラから影響を受けたこと、学んだことなどはありますか。

例えば科学、自然に対する興味を培ってくれたのは「ゴジラ」でした。それから神話的なアジアの文化への興味を深めるきっかけにもなりました。今の自分を形作る多くのトピックスを最初に育んでくれた存在でもあります。

――ドハティ監督はこの映画で、日本人がゴジラに感じているような畏怖の念や、神々しさもしっかりと描いているように感じたのですが。

僕自身、ゴジラをそういうふうに見てきたし、僕に半分、アジア人の血が流れているということもあるかもしれないですね。

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