――前作の『GODZILLA ゴジラ』にギャレス・エドワーズ監督が抜擢されたときも、彼はまだ長編映画を1本しか撮ったことがなく。新人のクリエーターを大抜擢したという印象がありました。レジェンダリー・ピクチャーズという会社は、才能があれば、若手であっても引き上げるという社風があるのでしょうか。
確かにそういうところはあると思う。2020年公開予定の『ゴジラvsキングコング』(仮題)だって、アダム・ウィンガードが監督を務めるけど、大きな作品の経験がそれほどあるわけではない。だから若くて情熱のある監督を抜擢するという傾向はあるんだと思う。
でも映画史をひもとけば、『ジョーズ』のときのスティーブン・スピルバーグ、『エイリアン』のときのリドリー・スコットといった例もあったわけだし。そういう意味では昔からそういう伝統はあったと言えるのかもしれません。若くて、いままでチャンスを与えられてなかったからこそ、いいものにするべくより努力をすることにもなると思います。
――エンドクレジットを見ていたら、ゴジラや、キングギドラを演じる役者が、「HIMSELF」と書いてありました。
あれよかったでしょ。僕が考えたんですよ(笑)。
ゴジラは世界の「大スター」
――東宝側としては、ゴジラたちは「東宝所属の俳優」であり、ハリウッドの映画化にあたって俳優を貸し出すような気持ちでいると聞きました。東宝の“大スター”であるゴジラたちと仕事をしてみていかがでしたか。
ゴジラって「世界の大スター」じゃないの(笑)。でも彼らは最高でしたよ。とってもプロフェッショナルだったし。ただキングギドラはディーバ(オペラの歌姫)だったんで、ちょっと気性が激しくて大変だったかな(笑)。
――東宝とのやりとりを聞きたいのですが。東宝がクオリティ・コントロールを行ったのが前回の『GODZILLA ゴジラ』からで、1998年の『GODZILLA』はデザインに関与できなかったため、デザインがゴジラとかけ離れてしまったという話を聞きました。そういうことも踏まえつつ、今回、東宝からここは守ってほしい、といった声などはあったのでしょうか。
東宝は最高のコラボレーターでしたよ。僕がアドバイスを請うと、参考資料など、必要なものを全部提供してくれた。今回はクリーチャーデザイン(登場生物・モンスターのデザイン)と、クリーチャーの描写について最終的なゴーは東宝が出せるという契約だったが、彼らは僕たちが出すものすべてを気に入ってくれた。本当に最高のパートナーシップでした。できれば今後、東宝映画の監督もしたいなと思います。そうすれば日本にも滞在できるしね(笑)。
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