「テラハ」が教える新しい「一つ屋根の下」の関係 同居する異性と恋愛関係になるのは昔の話か

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やはり空間は間違いなく性的な関係性をも規定する。そして冒頭で紹介したシーンはこの空間と芽生えかけの恋情と若さとの結晶として生じたものだといえる。それ以上の関係はこの空間の外、多くは番組の外で展開されるほかない。

外国とのルームシェアの文化の違い

もっとも外国の友人に聞くと、ネットフリックス上で海外でもよく見られている「テラハ」は日本人らしく性的にモジモジしているところが魅力なのだという。

確かに、同じように一軒家で男女が住むリアリティー番組は海外にいくつかあるが、例えばアメリカ・ニュージャージーの「ジャージー・ショア(Jersey Shore)」(2009~2012年)や英・カーディフの「ザ・ヴァリーズ(The Valleys)」(2012~2014年)のように、パーリーピーポーがパーリーしてピーしたりポーしたりするものがほとんどで、要は空間そのものが規制しているというより、その空間を入居者がどのように捉えるかという「文化」が規制しているといえるのだろう。

そこで日本でルームシェアがどのように捉えられてきたのか簡単に振り返ってみたい。そこで先に断っておきたいのだが、以後、「同性」や「異性」という言葉をもって、それぞれ恋愛関係が生じえない、生じうる関係を記述する。

これはこの後に用いる事例が異性愛を前提としているために便宜的に用いるもので、本来は同性間で恋愛関係が生じることも、異性間で恋愛関係が生じえぬこともある。実際、2018年に配信されたテラハの軽井沢編では池添俊亮(しゅんすけ)が自ら同性愛者であることを自覚して卒業していったし、後で紹介するドラマ「ラスト・フレンズ」も性同一性障害を取り上げている。この点、注意されたい。

さて、そもそも2000年代に入ってからのルームシェアブームは、ドラマが火付け役になったといわれる。

例えば「人にやさしく」(2002年)は、香取慎吾、松岡充、加藤浩次演じる3人の男性が、なぜか預かることになった男の子を育てながら大きな一軒家に住む。大きな吹き抜けのダイニング・キッチンの空間があって、それを見下ろすように3人の個室が並んでいたように記憶している。このように同性のルームシェアというのが、今でも一般的なルームシェアイメージだろう。

時代をさかのぼって柴門ふみのマンガ『あすなろ白書』にも、父親・松岡を失った子どもを育てるため母親・星香と親友であるなるみが同居して、「ママ」と「マミイ」になるという場面が登場する。こちらは女同士のルームシェアの例だ。

こうした同性のルームシェアは恋愛関係を持ち込むことを想定していない。エリック・シーガルの『ラブ・ストーリー』に、ハーバード大学の寮の男子2人部屋では、ドアノブにネクタイが結んであると1人が女性を連れ込んでいるサインだというエピソードがあったけれど(あとで調べるとよくあるサインだそうだ)、これは数回なら許されても、より密接で継続的な異性関係を持ち込もうとすればルームシェアから離脱せざるをえない。

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