水分補給は「倍返し」で
酔いざましとして、飲んだ後に入る熱い風呂やサウナでは、さらに危険が潜む。
「多量の飲酒で脱水症を引き起こした状態で、サウナや熱いお風呂に入ると、発汗での体温調節が行えずに熱中症へと移行します。めまいや立ちくらみ、意識障害などの症状が伴い、倒れて救急車で搬送されることは珍しいことではありません。熱中症は命にかかわるだけに、飲んだ後の熱い風呂やサウナに入るのは禁忌といえます」(谷口教授)。
2012年4月には、TOKIOの松岡昌宏氏がサウナで脱水症状を起こし、救急搬送されて話題を呼んだ。脱水症状や熱中症は、真夏の脅威というだけでなく、真冬にも起こりうる。それを避けるため、谷口教授に予防法を伝授してもらった。
1.飲んだアルコール量に対して、「倍返し(飲んだアルコールの量以上のという意味)」の量の水分、できれば電解質の入った飲料を飲むことを心掛ける。特にアルコール度数が高い場合は、飲んでいる最中にも「倍返し」を。
2.どんな酒のさかなでも水分が含まれているので、食べながら酒を飲むようにする。飲酒のみというのは×。減量中ならば、トマトやキュウリなど低カロリーで水分を多く含んだ野菜をつまみにする。
3.寝る前にも水分補給をする。肝臓の血流を増やすことで、アルコールの分解処理能力をアップさせることに役立つ。
4.飲んだ後に入るのはぬるめの風呂と心掛ける。入る前に水分補給も忘れずに。
5.飲んだ日は十分な睡眠をとる。体内でアルコールが分解されるには6時間はかかるため、6時間以上の睡眠が不可欠。身体を安静にすることで肝臓の血流が増えると、アルコールも分解しやすくなる。
「飲む前に飲むと酔いにくいと言われるドリンク剤も、脱水症状を起こしては役に立ちません。倍返しの水分補給と、十分な睡眠を考えていただきたい」(同)。
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