横浜DeNAが「ボールパーク化構想」で見据える先 今後プロ野球のビジネスモデルはどう変わる

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2017年3月には、横浜市とDeNAグループ(㈱ディー・エヌ・エー、㈱横浜DeNAベイスターズ、㈱横浜スタジアム)は、包括連携協定(通称I☆(ラブ)YOKOHAMA協定)を締結し、スポーツ振興だけではなく、子どもの体力向上や健全育成、福祉や地域活性化、公共空間活用など、幅広い分野で相互に連携して行政課題の解決に取り組んでいるという。横浜市としても連携を拡大・拡充していきたいと考えている。

認知度、注目度がうまく価値化されていない

2019年シーズンが開幕したが、ベイスターズの本拠地での3、4月の1試合当たりの観客数は3万1532人。昨年は2万8166人だったから、改修や客席増の効果が早くも出ていることがわかる。

ベイスターズの木村氏は「改修の話に隠れがちですが、ハマスタの「リボンビジョン」は倍の大きさになっています。そういうところもぜひ見てほしい。

改修は2020年で完成しますが、それ以降もアップデートする必要があります。ハマスタ、ベイスターズは来場するたびに新しい何かがあるようにしたい。

音楽業界はCDからライブでの収益が中心になりました。スポーツもテレビ視聴から現地でのライブ観戦が主流になりつつあります。放映権収入中心から、入場料収入にシフトしています。

もしかしたら、数年後には3万人を集めるのではなく、5000人のお客さんが多くのお金を落とすのが新しいビジネスとなるかもしれない。そう考えると、進化を止めると、時代の変化に対応できない。次のパラダイムシフトが起きたときに対応できないのはまずいです」と、将来の展望も話した。

「この業界に来て最初に思ったのが認知度とビジネス規模との大きさのギャップでした。ベイスターズは誰もが知っています。メディア露出は大きいですが、ビジネス規模はそれほどでもありません。認知度は大企業並みですが、売り上げは中小企業レベルです。

認知度、注目度がうまく価値化されていないんじゃないか。チケット収入や放映権にとどまらず、新しい価値を生むべきではないか。そういうチャンスはいっぱいあるのではないかと思っています」(木村氏)

プロ野球の親会社は、既定路線の上を走り「昨対」を気にして少しずつ手直しを加えていく既存企業が多かった。そんな中でもベンチャーマインドにあふれるDeNAは異色の親会社なのだ。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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