横浜DeNAが「ボールパーク化構想」で見据える先

今後プロ野球のビジネスモデルはどう変わる

ライト後方に設置されたウイング席のキャパシティは3500席、2020年にはレフト側後方にも3500席の増設が計画されている(編集部撮影)

ハマスタで開催されるホームゲームが約70試合、オープン戦やCSなどを含めてもプロ野球の稼働日は80日ほどだ。1年に2割強の稼働しかないが、残りの日をどう考えているのか。

「アメリカのメジャー・リーグではスタジアムツアーがものすごい人気になっています。ハマスタも本格的なスタジアム見学があってもいいかもしれない。

放映権の問題はありますが、ビジターゲームをハマスタでパブリックビューイングしてもいいかもしれない、そのときにビアガーデン風にして楽しんでもらってもいい。

一方で、来場者の客単価を上げていく施策も必要です。豪華なシートにしたり、ゆっくり食事を楽しみながら観戦したりできる客席を設けるのもいい。球場のキャパが、ビジネスの限界にならないように考えていくことが必要ですね」

メインディッシュはあくまで野球

試合中の球場内での演出も、コンテンツとして重要になってきている。

「光、音、映像テクノロジーなど新しい演出を駆使して試合を盛り上げたいとは思っています。しかし、その根底に野球があります。筒香嘉智選手のホームランよりもほかのコンテンツを見に来てください、とはならないですね。

試合中の演出は、派手になってきていますが、サイドディッシュを豊富にしすぎると、何をしに来たんだろうという話になります。サイドディッシュに惹かれてきた人でも、メインの野球がよければそこに惹きつけられる。そのためにもチームが強くないと、ということですね。

筒香選手の本塁打は多くても年間約50本、もちろんハマスタに来たからといって必ず見られるわけではありません。でも運よく見ることができた、しかもそのときにすごくすてきな演出だった、いい思い出になった、という流れですね。筒香選手のホームランをマーケティング担当者は生み出せなくても、その瞬間の体験、勝った直後の体験を盛り上げるために、私たちには何ができるのか、ということです」

日本の野球競技人口は急激に減っている。このことが野球人気に影響を及ぼす時期が来ると考えられるが「野球離れ」をどう捉えているのか。

「競技人口が減っていることは承知しています。増えたほうがいいのは大前提ですが、スポーツ興行の面からみると少し違ってきます。

大相撲は今も人気がありますが、競技人口は多いでしょうか。アメリカでいちばん人気があるスポーツはNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)ですが、競技人口は決して多くありません。

観戦スポーツと競技スポーツは、別物です。観戦の人気と競技人口は比例していないと思います。野球は競技スポーツとしても盛んでしたから、バランスを見極めるのが難しいですが将来的に大相撲のようなタイプのスポーツに変わっていく可能性はあるでしょう」(木村氏)

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