横浜DeNAが「ボールパーク化構想」で見据える先 今後プロ野球のビジネスモデルはどう変わる

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ベイスターズは、2014年に『次の野球』(ポプラ社)という書籍を刊行している。初代社長だった池田純氏が中心になって編纂されたものだ。また2016年にはメッセージフォトブック『BALLPARK』も刊行している。いずれもビジネス書ではなく、ビジュアル中心の読み物だ。

メッセージフォトブック『BALLPARK』(編集部撮影)

「この2冊は私たちの考え方の礎です。『次の野球』ではマーケティング担当者だけでなく、さまざまな部署の社員やスタッフ、選手が役割にかかわらずいろんな意見を出していますが、“失敗してもいいからチャレンジする”“去年と同じことをやって数字を積み上げるよりも、新しいことをやるほうがいい”という社風ができてきましたね。風通しがよくなったように思います」

筆者はいろいろな球団と接触するが、多くの球団は部署が縦割りだ。率直に言って前例のないことをやりたがらない。そんな“昭和の業界”にあって、DeNAは極めて異例といえる。

「われわれライブエンターテインメントはお客さんを楽しませる仕事。自分たちが楽しんでいないと、良くも悪くもその空気が伝わってしまう。会社として、自分たちも楽しんで仕事をするのが基本ですね」

ゲームもプロ野球も同じ収益源

親会社DeNAは、株式会社ディー・エヌ・エーを中核とし、ゲーム事業、インターネット事業、eコマース事業を展開する企業グループだ。横浜DeNAベイスターズはグループ内ではどんな位置づけなのか?

「グループの広告宣伝部門という位置づけではなく、スポーツセグメントに属しています。このセグメント利益の大部分はベイスターズと横浜スタジアムの連結の数字です。

私たちは『Delight and Impact the World』というミッションを掲げていますが、お客さんに喜んでもらって収益を上げていくのが基本。ベイスターズは、まさにその体現者であるべきだと考えています。

スポーツセグメントではバスケットボールのB.LEAGUE・川崎ブレイブサンダースを運営するDeNA川崎ブレイブサンダースもあります。ビジネスのノウハウも共有しながら同じプロチームとして切磋琢磨する関係ですね」

横浜スタジアムの新名所であるウイング席から見た球場の風景(編集部撮影)

ベイスターズの「コミュニティボールパーク」化構想は2012年にスタートした。その流れで2017年から横浜スタジアムの増改築計画がスタートしたが、どんな展望を描いているのか?

「ハマスタのキャパが約3万人から約3万5000人になりました、これが一杯になりました、というだけでは面白くないですよね。つねに時代に合う球場づくりを続けていくことだと思います」

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