EUへの民衆の支持が一段と落ちると読む理由 英国の「EU離脱再延期」でも喜べない

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次期首相の有力候補とされるボリス・ジョンソン前外相。それでも英国の合意なき離脱確率は15%程度?(写真:Press Association/アフロ)

5月24日に英国のテリーザ・メイ首相が6月7日に辞任すると発表、7月末頃までに保守党の党首選が行われ、次のリーダーが選出される見通しとなった。メイ首相は2016年7月から3年弱にわたり、国民投票で決まったEU離脱実現に取り組んだが、意見集約ができない議会情勢に加え、厳格な離脱条件を突きつけるEUからの圧力に直面し、離脱プロセスは進まなかった。

2019年に入り、穏健なEU離脱を目指す労働党との協調路線に方針を転換、2年間だった移行期間の期限を2019年10月末までに延期、などメイ首相は苦心の対応を続けてきた。この迷走の間、離脱法案が3度否決され、かつ保守党の支持率が大きく低下、いよいよ事態打開の可能性がなくなった。志半ばでメイ首相は辞任に追い込まれた。

英国の合意・秩序なき離脱確率は15%?

ブックメーカーのオッズなどから、一般党員からの支持率が高いボリス・ジョンソン前外相が次期首相の最有力候補となっている。同氏は、メイ首相のEUとの交渉姿勢を批判して早々にメイ政権と袂を分かち、EUとの合意がなくても離脱を実現する強硬な姿勢を示している。

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5月初旬から為替市場ではポンド安が進んでいた。ジョンソン氏が次期首相となれば、合意・秩序なきEUからの離脱(いわゆるハードブレグジット)の可能性がメイ政権よりも高まるためである。ただ、メイ首相辞任でハードブレグジットの可能性が大きく高まったかといえば、筆者は懐疑的で、ハードブレグジットの実現可能性は15%程度とみている。

保守党の党首選挙がどのような展開をたどるかすらわからず、また仮に次期首相にジョンソン氏が就任しても、10月末の期限の前に本当に「強硬な離脱」に向かうかどうか。交渉によって再び移行期間が延長されるなど、いくつかのシナリオが想定できる。

ジョンソン氏などの強硬姿勢は、保守党党首選挙あるいは次期首相のもとで想定される総選挙を睨んだ政治的ポーズかもしれない。また、議会構成が大きく変わらない中で、次期首相の意向だけで強硬なEU離脱が実現するには、越えなければいけない多くのハードルがある。

金融市場では、10月末の離脱期限を前に、総選挙を行うことを条件に、離脱期限の再延期でEUと英政府が合意するとのシナリオが有力視されている。

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