トランプ大統領が2020年に向け打つ驚愕の一手 2月15日前後に戦略の一端が見える可能性も

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トランプ大統領は、表向きすでに政権を去ったスティーブ・バノン氏(右)を、実は頼りにしているはずだ。これから徐々に手の内が明かされるかもしれない(写真:AFP/アフロ)

2月5日の一般教書演説で、アメリカのドナルド・トランプ大統領がその真骨頂を見せてくれた。「アメリカには社会主義が来ている。われわれはその社会主義と戦わなければならない」と、ブチ上げた一方で「家族有給休暇制度の導入」、(少なくとも表向きは)「病気を抱える人の健康保険のサポート」など、自分自身の社会主義政策は擁護したのだ。

まだ手の内を明かしたくないので、2020年の大統領選のための「中間層以下への減税」は触れなかった。まあ、どれもこれも財政を肥大化させる話である。個人的にトランプ大統領で好きなところは矛盾を隠さないことだ。彼らは結果的にアメリカが抱える問題を露骨にしてくれる。これはバラク・オバマ大統領にはできなかった。

FEDはいざとなれば「第4次量的緩和」も視野に

さて、アメリカの株式市場では、1月の終わり方はその年の終わり方を示唆するという考え方がある(確率は70%)。ただ昨年も1月は上昇した。ところが年末はあの終わり方だ。今どの程度の人がこの伝説を信じているかはわからない。ただ言えることは、日々進化する市場のAIは、過去のパターンを信じる人間よりもスマートである可能性があるということだ。

そんななか、1月は各国の中央銀行が株式市場をサポートした。注目のFEDは、利上げをする傍らバランスシートの削減も続けてきたので、その方向転換の示唆は市場にインパクトを与えた。特に、利上げを中止する示唆よりも、バランスシートの増減を今後は政策ツールの一環として組み入れるとの意向は、いざとなればFEDは第4次量的緩和も視野に入れたということだ。

直近のFOMC(米連邦公開市場委員会)後、個人的にはゴールドが買われる可能性を強く感じた。そしてこのFEDに対する株式市場の反応は、まさしくTVや映画で観るオピオイド(鎮痛剤)依存患者のドラマに似ていた。

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