日米を襲う「債券バブル崩壊」の恐ろしい結末

株の下落の次に何が待ち受けているのか?

トランプ大統領は株価の下落をパウエルFRB議長のせいにしたが、解任はなさそうだ(写真:AP/アフロ)

筆者は2018年、アメリカの中間選挙前後から「『トランプ勝利』でも株の反発は長続きしない」(10月31日配信)など、6本の記事を配信してきた。その中で「金利上昇の理由がインフレか財政赤字拡大かで、下落相場への考え方が変わる。これを解説しつつ、関連してアメリカの2極化が財政赤字論を演出している背景を紹介したい」としていたが「宿題」のままになっていたので、今回とりあげる。なお、筆者はマーケットの専門家の端くれだ。ここでの債券は、金融市場のメカニズムとしての観点からであることをご了承頂きたい。

アメリカ株が下がった原因は、単に「割高だったから」

まず10月以降の株の大幅な下落は、最初は長期金利上昇がきっかけとされた。その次は中間選挙が材料になり、選挙後は中期金利の下落(2年債と5年債の金利が逆転)が「景気スローダウンとの予兆」とされた。並行して12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)への一部の間違った期待感があった。さらにジェローム・パウエルFRB理事長とドナルド・トランプ大統領の確執まで騒がれた。

だが、ざっくり言って、これらは全てノイズだ。理由は、金利が上がっても下がっても株が下がったなら、本当の原因はそこではない。株が単に割高だっただけだ。アメリカ債の2年と10年の金利差が最も縮小したのも5月だったが、その時イールドカーブの話は株売りの材料にならなかった。

さらにトランプ大統領によるパウエル議長へ攻撃は、誰かを悪者にすることで自分へ批判をかわすトランプ流のプロレスだ。悪役を殺しては見世物がなくなり、その後は自分への批判だけが残る。だからトランプ大統領が自分でパウエル氏をクビにすることはない(テクニカル的に言えば、大統領はFRB議長を解任する権限はある。だがそれには相応の理由が必要。政策の違いでは解任はできない)。

このように、市場には常にノイズとシグナルが混在しているが、筆者が観た重要なシグナルは何か。それこそが筆者が考える今回の下げの本当の理由である。その理由とは、10月に出た世界最大級のヘッジファンドであるブリッジウォーター創設者のレイ・ダリオ氏の本と、それにともなう「債券バブル」のナラティブ(物語)の拡大である。

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