アラフォー世代は、実は、初代ゆとり世代 アラフォー世代は損な役回り?

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中学受験ブームと過酷な大学受験戦争

一方、1980年代半ばから、東京では中学受験熱が高まった。ちょうど僕たち世代が中学生になる頃からだ。1968年に東京都で始まった「学校群制度」とう迷施策によって公立高校が凋落。1970年代後半から、東大合格者数ランキングトップ10には、私立中高一貫校ずらりと並ぶことになる。そこにきて、前述の公立中学校の荒廃である。中学受験熱が過熱する。とはいっても、中学から私学の高い学費を払える家庭はごく一部に限られていた。が、1986年にバブル到来。中学受験が大衆化していくのである。

大学受験も過酷だった。1990年代の序盤から、女子の4年制大学進学率が急伸しているのである。まさに僕ら世代と同世代の女子たちから、4大進学がぐんぐん伸びているのである。社会全体とすれば望ましい変化だが、一受験生としてみれば、それだけ大学受験の倍率が上がるということ。ただでさえ僕ら世代は第2次ベビーブームの頂点。そこに優秀な女子が参戦したのだから、僕らの大学受験は、倍率のうえで考えれば、非常に厳しかったことになる。なんと3人に1人は浪人した時代だったのだ。

イクメンであることが当たり前

時は流れ、僕らは今、アラフォーと呼ばれるオヤジになった。日々勉強は続けなければいけないが、学校という場所からは離れてだいぶ経つ。しかし、教育という営みは、受けて終わりではない。次世代につないでいかなければならない。

アラフォーともなると、結婚し、子どもを授かっている人の割合も多いだろう。僕ら世代が結婚し、子どもを授かったその頃やってきたのがイクメンブームである。

厳しい受験、就職氷河期、長引く不況、リーマンショックを乗り越えて、やっと社会の中堅メンバーとして活躍しようというそのときに、「これからの男性は仕事だけじゃダメ! 育児も家事もできなくちゃダメ!」というダメ出しが待っていたわけだ。

これは自信を持って言えるが、子育ては幸せな営みだ。決して嫌なことではない。せっかく子どもを授かったのなら、男性だって思う存分、子育てにかかわったほうがいい。そしてそもそも、アラフォー以下の世代には「育児なんて女がするもの」という旧来の価値観は、ほとんどないように感じる。ただし、社会の価値観や会社の仕組みが変わらなければ、育休を取ろうにも取れない。

世に出れば未曾有の不況、家庭に帰れば未曾有の密室育児ストレスを抱えてキーッとなっている妻が待っている……。正直、パパだってかなりしんどい状況だ。

それなのにちまたでは「バリバリ仕事して、しっかり稼いできてくれるけど、家には早く帰ってきてくれて、家事も育児も進んでやってくれる。自分の愚痴はもらさずに、ママの愚痴には何時間でもつきあってくれる。子どもとたくさん遊んでくれるけど、ママへの愛情表現も欠かさない。時にはビシッと子どもをしかれるけど、ママのことは絶対に非難しない。適度にオシャレで、かっこいいけど、ママ以外の女性には見向きもしない……」なんてイクメン像が出来上がっている。

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