僕らよりちょっと上の世代、まさにバブル世代の男性たちは、たまにゴミ出しをしたり、たまにオムツを替えたりするだけで、珍しがられて褒められたのに、僕ら世代はそれだけでは許されないのだ。
僕が運営するサイト「パパの悩み相談横丁」には、日々、全国のパパたちから、子育て生活の悩みが寄せられる。
「仕事に家事に、体力も気力も、もう限界……。それなのに、妻からはもっとやれと言われ、会社では肩身が狭い思いをして……」という切実な悩みもある。
しかし、歯を食いしばってつねにギリギリの状態で仕事と家庭を両立したところで、それほどいいことはない。一生懸命仕事を効率化しているのに、家族時間はなかなか増えないから、もっと仕事を頑張らなきゃというループにはまる。気持ちの余裕がなければ、妻の愚痴を聞いてあげることもできないし、子どもに本当の笑顔を見せてあげることもままならなくなる。だから妻も子どももそっぽを向く。本人はつねにギリギリの状態で頑張っているつもりなのに報われない。不満がたまり、もしくは自分をダメな存在だと思い込んでしまい、仕事にも悪影響をおよぼす。悲劇である。このような状況を僕は「イクメン病」と名付けている。
日本の投票率の低さは教育の結果!?
2013年7月の参議院選挙の投票率が驚きの低さだった。投票率の低さは、今の日本の教育の結果でもあるということを、選挙翌日のブログで書いたら、これが大きな反響を得た。要するに次のようなことである。
そもそもなぜ選挙をするのか。
未来を「よりよい社会」にするために、みんなの意見を集めることだろう。未来における「よりよい社会」とは、今の自分にとっての利益が増えることではない。次世代にとって「よりよい社会」という意味だろう。
同じ1票でも、次世代、次々世代のことまでを考えて投じられた1票と、今の自分の利益だけを考えて投じられた1票では、重みが違う。しかし同じ1票として扱われてしまう現実がある。
より長期的な広い視野に立って物事を考え判断できる人を育てなければ、長い時間軸でみたときのその社会における「1票の精度」は下がる。それを繰り返せば、やがて社会は衰退する。教育の「結果」はこうやって数十年後に表れる。
要するに、目先の利益にとらわれない、本質的な教育をしていかないと、投票率は下がり、かつ、1票の精度も下がり、社会はますます衰退するということ。
「教育は未来への投資」とかよく言うけれど、それを、優秀な技術者を輩出して日本の産業発展に役立てようとか、グローバル人材を育てて国際競争力を高めようというような、次元の低い意味だけでとらえないでほしい。「今の教育の質が、未来の社会全体の質を決める」という、もっと根本的な意味がある。
本気で世の中をよくしていこうと思うなら、そろそろ目先の経済成長のことばかりにとらわれないで、教育のこともしっかり語れるアラフォー男子にならなければいけない。
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