「グーグル翻訳」で世界と仕事する84歳の英語術 ノリは「大阪人」くらいでちょうどいい
とにかく、人工知能は絶えず学習しています。しかも、ものすごい勢いで。とてもじゃないけれど、人間はかないっこないです。人工知能君が得意なことは、人工知能君に頼みましょう。
「英語で対応なんかできない!」とチャンスをふいにするくらいなら、つたない翻訳であったとしても、やってみるほうが何倍も有益です。
亀の甲より年の功。想像力で乗り越えちゃえ
ちゃんとした単語、文法が使えなくたって、海外旅行は何とかなります。初めてフランスに行ったとき、パリのホテルでなかなか朝食がこないということがありました。当時のホテルは、食堂ではなくルームサービスが主流だったんです。
私はとりあえずフロントに「アロー」と電話をかけました。朝ご飯はフランス語で「Petit déjeuner」ということは知っていたので、電話口の相手に「私のPetit déjeunerがnot yet comeなのよっ!」と訴えたのです。もう、日本語、フランス語、英語がごちゃまぜです。それでも、5分後には朝食がきました。ちゃんと通じたんですね。
ホテルのレセプションの立場になってみれば、朝、宿泊客から電話があって、「Petit déjeunerがどうのこうの」といっていれば、それはルームサービスの朝食がこないという訴えにほぼ間違いない。これは、語学というより想像力の問題ですね。
単語が聞き取れれば、「このシチュエーションで、この人が、◯◯という単語を使っているということは、きっと◯◯だということを言っているに違いない」と推測することができます。
例えば空港で、自分の乗る飛行機の便名と、「1hour」という単語が聞こえたとする。それはたいてい「出発が1時間遅れる」というお知らせでしょう。だって、出発が1時間早まるなんてことがありますか? 遅延は何度もあれど、1時間もの出発の繰り上げなんて私、体験したことがありません。
もし繰り上げならば、相当異例の事態なのでもっといろいろなアナウンスがあるはず。そう考えていくと、正解にたどり着くことができます。この想像力を鍛えると、海外旅行でも意外と何とかなるのです。
とにかく大事なことは、かっこつけないこと。海外に何度も行っていると、日本人は英語に対する独特のメンタリティーがあると感じます。なにしろ、そばに日本人がいるだけで、途端に英語がしゃべれなくなってしまうのだから。眼の前の相手よりも、まわりの日本人がどう思うかが気になってしまうのですね。
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