「グーグル翻訳」で世界と仕事する84歳の英語術 ノリは「大阪人」くらいでちょうどいい

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だからこそ、英語はまず主語が最初にくる。“I am” “I have” と、「私は~」「私が~」と誰が主体なのかいってしまう。主語から始めないと、文章が成り立たないのです。「ぼんやりとした想いを伝えようとする、源氏物語の世界とはちゃうんや」と先生は教えてくださったのです。曖昧な日本語とは違うんですね。

“Nobody” から始まる文、なんていうのも西洋的だとおっしゃっていました。いきなり頭で「あかんで」といってしまう。「誰も◯◯でない」「◯◯なひとは誰もいない」と否定の文だということをガツンといって、そこから「何が」なのかを説明していく。

日本語は、文の最後にきてから「ございます」なのか「ございません」なのかがわかるようになっていますよね。これも英語と日本語における、考え方の明確な違いが表れています。

この先生は、英語をスラスラ話せる人ではなかったけれど、「外国語を教える」ということの本質がわかっておられたのだと思います。授業はとってもおもしろかった。だから私は今でも外国語を学ぶのが好きですし、そのときに習ったことを今でもよく覚えています。

英語、実は得意じゃありません!

英語は長年独学で学んでいるものの、正直なところまったく上達していません。

勉強としての英語はまあまあ得意で、英検で準1級をとったりもしました。それでも、ある時期、月1回のペースで英語を習っていた先生からは、「なぜ若宮さんに英検準1級がとれたのかは謎です。おそらく試験官が、下手なのにまったく臆することがない若宮さんの姿にショックを受け、採点するのを忘れたのではないでしょうか」というメールをいただきました。それくらい、その教室では「英語ができない人」と見なされていたのです。

私は、海外のカンファレンス(大きな会議)に登壇して英語で講演したり、海外旅行によく行ったりしていることから、英語がペラペラだと思われていることがあります。でも、全然ダメなんです。日常会話もできるかどうか、あやしいくらい。実際に私が英語でやりとりするところを聞いたらびっくりすると思います。

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