あるカリスマ数学教師の「変態」を育てる授業 「どうせできない…」の壁を越えさせる名人技

手を動かさないと「頭のよさ」がマイナスに働く
「はい。ちょっとパズルやめて。残り時間で『試行錯GO!』をやります」
「オー!」とか「イェーイ!」とか、歓声が起こる。生徒たちから人気の活動らしい。
「今日の問題は簡単です。『立方体をつくろう』です。ただし、幅が『1』の長方形からつくってください。1センチじゃなくていいよ。幅が『1』の長方形から、一辺の長さが『1』の立方体をつくってください」
「先生! のりしろはありですか?」
「なしです。折るのみです。折るだけでつくってほしいんだけど、折る前に、幅『1』の長方形がどれくらいの長さがあればいいかちょっと考えてみてください。長方形のここの辺の長さが『1』に対して、もう1辺はどれだけの長さがあれば折りたたんで立方体ができる?」
「8!」
「オマエたちのすごいところは、頭の中で考えて、頭の中で結論が出せること。つまり、実際に作業をしなくても予想できる。それはすごい。でもね。一方で、つくってみないと本当はわからないってことがあるわけよ。例えば、オレのいちばん初めの授業でやったでしょ」
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